そっくり人形店長日記 191123

マラソン報告10

 ゴールとなる陸上競技場を目の前にして、またしても歩かざるを得ない状況に追い込まれました。走ってゴールするためには仕方がなかったのです。
 

苦しみからの解放

 「ゴールまでもう少し、頑張れ!」との声援が続きます。その声を聞くたびに「言われなくても分かっています」と言いたくなります。「あと少しなのに歩いている私が頑張っていないように見えるのかもしれませんが、これでも頑張っているんです。今走ると足が攣ってしまうから歩くしかないんですよ。」と心の中で言い訳をしている自分が更に情けなくなります。特に私だけに向かって言っているわけではないことは分かっています。でも何となく歩いていることを責められている気がしてしまうのです。
 

 いよいよ陸上競技場に足を踏み入れるという時からまた走り始めました。残りはトラック3/4周程、約300mです。何とか足は持ちこたえられそうな感触です。前のランナーが少しずつ近付いてきました。私よりも遅いペースだということが分かります。「ああ、彼も苦しいんだろうな、大変だな。」などと思うと、ここまで頑張ってきた彼を抜くのが忍びなくなります。抜こうと思えば抜けるのですが、少し躊躇して自分のペースを落とします。ここで1人抜いたところで順位もタイムも大して変わりは無いと思い、彼の後からゴールしようかなと思いました。
 

 しかし、後ろから他のランナーの足音が聞こえてきました。振り向くことはしませんが、恐らくこのままでは抜かれそうな雰囲気を感じます。ここまで来たら前のランナーを抜かなくても構わないけど、後ろから来たランナーに抜かれるのは嫌だ、という思いに駆られました。多くの人に見られている競技場内で抜かれたくない、そんな私の見栄っ張りの性格が現われて来ました。
 

 躊躇せずペースを上げて前のランナーを抜きました。もうその時には抜いたランナーに対して申し訳ないなどという思いはどこにもありません。「勝負とはそういうものだ」などと非情な人間と化していたのです。人間とは多面的な性格を持ち合わせているものである、と自分を正当化します。更には抜いたことによる優越感を味わっていました。
 

 最終コーナーを回って最後の直線に入りました。後ろのランナーの足音はさっきよりも遠くなっているようです。残り100mを切り、足を攣ることもなさそうなので、もう抜かれる心配はないことを確信しました。あとはゴール目指して走るだけです。ゴールと私の間にはもう誰もいません。競技場内で応援している観衆の視線は全て私に注がれているのだ、と思い上がった気持ちでラストスパートをしました。
 

 そしてついにゴールです。「やっと苦しさから解放された」と安堵の思いでいっぱいになりました。しかし苦しさは終わっていませんでした。
 

                               ・・・まだ続く

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