幸せな未来

　少子高齢化は日本にとって大きな問題です。この問題を解決するには子供を増やすことが欠かせません。しかし生涯独身の人は増えており、さらに結婚しても子供を産まない夫婦も増えています。当然そのような生き方も尊重しなければいけません。それではどうしたら良いのでしょうか。ウェルカムドールたちは悩みます。
　

幸せな人生

　「子供はいなくて良いという選択をする人がいるのは当然だよ。人間は他の動物と違って本能だけで生きているわけじゃないからね。」
　「自分の生き方は自分で決めるのは当たり前の時代だね。」
　「昔はそういうわけにはいかなかったみたいだけど。」
　「国の方針や身内の考えに従わざるを得なくて自分の意志とは違う人生を歩まされた人は多かっただろうね。」
　「そういう時代の反省を経て今の個人の意思尊重の考え方になったんだろうな。」
　「昔は公然とされていた結婚や出産を勧めるような話は現代ではセクハラだと批判されてしまうもんね。」
　「でもその個人の考えを尊重しすぎることで何らかの大きな弊害が生じてくれば、今度は個人尊重の行き過ぎが問題視されて批判されることにもなりかねないんじゃないかな。」
　「もしかしたら少子高齢化問題に端を発してそういう状況になる可能性もあるってことかな。」
　「どうだろうね。それは現時点では分からないよ。」
　「でもこのままのペースで少子高齢化が進めばいずれは日本は破綻してしまうだろうね。それだけ深刻な問題のはずなんだけど、有効な解決策はいまだに見出されていない。子供を増やすことが一番なのは誰もが分かっているのにそれを声高に叫ぶことは許されないからね。」
　「それをストレートに表現すると傷付く人や批判の目に合う人たちがたくさんいるからね。」
　「だから子供は欲しいけど経済的な不安や育児環境の不備などで産むことをためらっている人達が安心して産める環境を作るにはどうしたら良いのかと思案しているんだな。」
　「産むか産まないかは個人の自由という前提で、産みたいと思う人を増やして、さらにそういう人がたくさん産めるようにしようってことだね。」
　「少子高齢化は国民全体の問題。子供がいないと自分の生きている間が大丈夫ならそれで良いって思いがちかもしれないけど、それは自分本位だよ。育児問題には関心が持ちにくいのは仕方がないけど、現実は自分よりも下の世代が自分の老後を支えてくれることなるのだからそのことを理解しないといけないね。」
　「国民全体で育児世帯を支援する意識が必要ってことかな。」
　「自分の人生を幸せにするためにも子育てをする人達の幸せを考えることが大事だと思うよ。」