幸せへの道標

　自分の欲しいものを買えてやりたいことが出来る、大人になってやっと手に入れることが出来たそのような自由を結婚することで手放さないといけなくなる。確かに誰かと生活を共にすると自分のやりたい放題には出来ないもの。でもそれは不幸なことなのでしょうか。ウェルカムドールたちは独身と結婚の違いについて話し合っています。
　

結婚の功罪

　「人生の在り方は人それぞれだから〝大人ならこうあるべき〟と決めつけるのは良くないと思う。手に入れた自由を手放したくないなら手放さないで済む生き方を見つければ良いんじゃないかな。」
　「だからと言って結婚を否定するのも良くないよ。結婚と自由は相反するものだと思っているから結婚に夢を持てなくなるんだよ。」
　「結婚に夢を持つからこそ結婚してみると夢がないことを知って落胆しちゃうんじゃないの？。」
　「独身に戻りたい、とか。」
　「確かに結婚に夢を抱きすぎると現実とのギャップはあるかもしれないね。ただ、結婚に夢は無くても希望はあると思うよ。」
　「夢と希望は違うの？。」
　「夢というと結婚生活が幸せに満ち溢れているイメージだと思う。実際にはそれは最初のうちだけで、慣れてくると単なる日常生活になってしまう。仕事や家事、育児などに振り回されて毎日が過ぎていくだけ。パートナーに対する不満が多ければ喧嘩にもなるだろうし。」
　「皆それが分かっているから夢を持てないんだろうな。」
　「でもそういう当たり前の日常生活を続けていくことで家族の人生が構築されていき自分を含めた家族の将来が広がっていくところに希望があると思うんだ。」
　「子供がいる人達は成長が楽しみだって言うね。」
　「子供がいなくても人生を共にするパートナーがいるというのは心の支えになると思うよ。」
　「でも子供がいても大人になれば生活は別々なのが普通だし、パートナーに先立たれたら結局は歳とってから一人になるよ。それなら独身で始めから一人の方が寂しさを感じなくて良いんじゃないかな。」
　「そういう考え方もあると思う。そう考える人はそういう人生を送れば良いんだ。結婚することで幸せが保証されるわけではないから。」
　「それに独身だから希望がないということではないよ。ただ1人よりも2人、3人と家族が増えることで希望の幅は広がっていくだろうね。」
　「家族が増えるとその分喜びも増えるだろうけど、逆に悲しみも増えるかもしれないよ。」
　「結婚に否定的な人は悲観的に考え過ぎなんじゃないの？。それなのに独身の自由はずっと続くと思っている。病気になったら自由なんて言ってられないよ。」
　「独身と結婚のどっちが良いかってことではなくて、どっちにも良いところがあるんだから互いに否定しないことが大事だと思うよ。」