恋愛と結婚

　恋愛感情が結婚につながりにくいのは何故なのか。ウェルカムドールたちは話を続けます。
　

恋愛と結婚の間４　「結婚っていうと何か縛られる感じがするよね。それが嫌なのかな。」
　「子供はいらない。２人でいられれば良いので結婚に拘らないってことなんだろうけど、籍を入れているのといないのとではやっぱり違うと思うな。」
　「籍を入れていなければ別れるのは簡単だからね。」
　「この人に捨てられたらもう後が無いってくらい切羽詰まっていれば〝結婚してください！〟ってことになるんだろうけど、まだ次もあるだろうって思っているのかな。」
　「いや、この人がダメなら一生一人でもいいかなって感じじゃないの。」
　「今は周りに独身の人が増えているから、生涯独身でいることに何ら疑問を感じないのかもね。結婚して苦労するよりも気楽な独身生活を満喫しながら貯金もして老後はケアホームに入居すればいいかなって考えも確かに分かるな。」
　「でも籍を入れているからこそ乗り越えられる苦労もあるし、それによって２人の絆も強くなると思うけど。その時の幸福感は独身では得られないものなんじゃないかな。」
　「結婚したら必ずそういう幸福感を得られるというのなら良いけど、そんな保証はないよ。むしろ不幸のどん底に落とされる可能性もあるわけだから。」
　「リスクを考えると結婚には消極的になるってことか。」
　「人それぞれ性格が違うから結婚しない人たちが皆そうだとは言えないけど、結婚はしたいけど失敗したくないから敢えて結婚しない道を選ぶ人もいるみたいだよ。」
　「でも歳をとってから〝あの時に結婚していれば良かった〟って思うんじゃない？。」
　「多分ね。そして〝あの時に結婚して入れば今頃は幸せになっていたんだろうな〟ともね。」
　「そういう人っていろんなことにそう思うんじゃないの。〝あの大学に入学していたら〟とか〝あの会社に就職してれば〟とかって。」
　「そうだね。チャレンジして失敗したときのリスクを考えてチャレンジしない選択をするんだね。」
　「チャレンジして成功した時のイメージが持てないのかな。自分に自信がないから。」
　「でも失敗はしていないから〝あのときチャレンジしていたら自分は成功していた〟っていう根拠のない自信はあるんじゃないかな。」
　「だから〝あの時にしていれば今頃は〟って思うんだね。」
　「そういう人は幸福感って抱きにくいんだろうな。」
　「今の恋人に対しても〝この人じゃなくてあの人だったら結婚するのに〟って思っているのかも。」
　「ありえるね。」