恋愛と結婚

　恋愛の謎についてウェルカムドールたちの話は続きます。
　

恋愛と結婚の間１

　「でもお金さえあれば良いって女性は少ないと思うけど。」
　「現代は女性も働きに出て稼ぐようになったから、必ずしも男性の稼ぎが良くなくても良くなったんじゃないかな。」
　「ということは弱い男性でも生き残れるようになったってこと？。」
　「いや、女性が男性を頼らなくても生きていけるようになったから、稼ぎが悪い男性は女性に選んでもらえない状況は変わらないと思う。だから何か他に女性を引き付ける魅力が必要ってことだね。」
　「逆に稼ぎが良いだけでも難しくなっている。結婚できても家事や育児が出来ないと結婚生活が上手くいかず、結果的に離婚に至る確率が高くなっちゃう。家を空けてばかりでは女性に愛想をつかされるよ。」
　「それでも取り敢えずは自分のＤＮＡは残せるね。」
　「今はＤＮＡが残せれば良いっていう時代じゃないよ。」
　「稼ぎが悪い男性でも家事や育児が出来れば女性にとってはありがたいんじゃないかな。」
　「最近は専業主夫の男性もいるみたいだし。」
　「そういうふうに自分に無いもの、必要としているものを持っている相手と結婚できると結構うまくいくんじゃないかな。」
　「でもそう都合良い相手に恋することが出来るかな？。恋愛は理屈じゃないんだから。」
　「昔は恋愛イコール結婚でも特に問題はなかった。男は仕事、女は家庭ってことが前提で一緒になり子孫を残すという目的を叶えられていたから。見合い結婚もその考え方があったから定着していたんだろうね。社会的にもそれが当然として捉えられていて、皆疑問を抱くことがなかったんだね。」
　「今は男女平等の考え方が定着してこれまでの男の役割、女の役割っていう境界が無くなりつつある。女性の社会進出が当たり前になり家庭での役割も多様化が求められてきているのに、現実の意識がそれに追いついていないように感じる。」
　「特に男の方が、かな。」
　「男性が変わりたいと思っても周りの目が許してくれない環境はまだ残っているよ。育休は取りにくいね。」
　「社会が変化しているのに人間の中に組み込まれている恋愛のシステムが昔のままなので、現実の自分の生活にはミスマッチな人を好きになっちゃう。それでその人と結婚するとギクシャクしてしまう。」
　「社会制度は意識で変えられるけど、恋愛は意識でコントロール出来ないからね。」
　「お互いに好きだから結婚するっていう時代ではなくなったのかな。」
　「それってなんか寂しいな。」