広島平和記念日（広島原爆忌）

　1945年（昭和20年）の今日、午前8時15分にアメリカ軍のＢ29爆撃機エノラ・ゲイが、広島市上空で世界初の原子爆弾〝リトルボーイ〟を投下し、広島市街は壊滅しました。
　

　同年12月末までに約14万人が死亡したと推計されています。その後もこの原子爆弾による放射能汚染が原因で亡くなった人も含めると犠牲者は25万人以上にも上るとされています。広島市は、これら犠牲となった人々の霊を慰め世界平和を祈る日として毎年8月6日を「平和記念日」とし、原爆慰霊碑の前で平和記念式典を行っています。
　

平和の祈り

　ある調査によると、広島に原爆が投下された日を知らない人は7割にも上るということです。74年前のことなので仕方がないのかもしれません。長崎の原爆投下の8月9日や終戦記念日の8月15日と混同している人も多いとも思われます。はっきりと投下日を覚えていなくても広島や長崎に原爆が投下されたという事実は多くの人が知っていることと思います。
　

　原爆の悲惨さは広島と長崎で明らかになりました。これほど多くの罪もない善良な市民を犠牲にするような破壊兵器が存在していることに恐怖を覚えます。74年経った今でも世界では核兵器が作られています。それらはそれぞれの国の力を誇示するために必要不可欠なものになっています。いつまでも国同士で対立している構図は変わりません。人間とは愚かな動物だとつくづく思います。
　

　人間は個人として接すれば仲良く出来るはずなのに、ある集団の一員になると自分達とは違う集団を極解し受け入れ難くなります。これは大人だけではなく子供の頃からその傾向が見られます。部活動が違うと「〇〇部の奴ら、ムカつく」などという見方をしてしまうようです。ムカつくのは〇〇部の数人だけなのに、そこに所属している部員全員を同類にみなしてしまうのです。「あいつ〇〇部だから」などと言って根拠もなく毛嫌いして友達になろうとはしません。個人として尊重しなくなるのです。
　

　これが国単位になると「△△人は身勝手だ」などと人種にレッテルを貼りやすくなります。一度でも何か問題が起きて悪いレッテルを貼ると、それまで文化的な交流が盛んでお互いの良さを認め合っていたとしても、「でもあいつら△△人だからな…」と裏があるものと疑って見るようになります。身勝手なことをしたのは一部の人達だけのはずなのに、同じ人種というだけで同じ思考の持ち主だと決めつけてしまうのはおかしいのではないでしょうか。
　

　どこの国民でも地球に住んでいるのだから、国同士で対立するのではなく同じ地球人として互いに認め合い協力すれば心から平和を感じられるのではないか、と思います。