恋愛と幸せ

　自分の行動で相手に不快な思いをさせてもそうすることが相手のためになると思ったのならそれは優しさだと言える。ウェルカムドールたちは優しさにはいろいろなスタイルがあることを話し合っています。
　

恋人の優しさ

　「相手が自分にとってどういう人なのかでも優しさの表し方は違ってくるんじゃないかな。」
　「親が子供に対する優しさと恋人に対する優しさとは違うね。」
　「子供に対しては時には親の優しさから敢えて厳しく接することもあるけど、恋人に対して優しさの表現として厳しくすることはほとんど無いよね。」
　「子供の場合はまだ人格形成の途中だから教育的な態度で接する必要があるよね。親として社会のルールやマナーを教えないといけないけど、子供が幼いと言葉で説明してもその重要さを理解することが難しい。だからそのような場面では説明だけでなく態度で表すことが必要なんだ。態度で表すと言っても体罰はダメだけど。いつも優しい親が厳しくなることで〝こういうことをしてはいけないんだ〟ということが少しずつ分かるようになるんだよ。」
　「恋人に対して教育的になることはないね。むしろ〝気に入られたい〟という下心から必要以上に優しくすることの方が多いね。」
　「子供には〝そんなことくらい自分でやりなさい〟と言うようなことでも恋人には〝そんなことなら私がやりますよ〟って全く逆の態度になるね。」
　「でもそういう下心があるのって本当の優しさではない気がするけど。」
　「そうだね。だから付き合い始めの頃の優しさをずっと維持することが本当の優しさなんだと思うんだ。」
　「最初の頃はやったあげていたことでも付き合いが長くなると〝そんなこと自分でやりなよ〟と言いたくなるもの。でもそう思っても文句を言わずにやってあげることが優しさなんだね。」
　「相手はそういうところを好きになってくれたのだから裏切っちゃいけないね。」
　「ただ、いつまでもそういう関係って疲れる気もするけど。」
　「自分も相手を裏切らないようにしないといけないし。」
　「結婚を考えるくらいの仲になっているなら、もっと気楽にいたいと思うんじゃないかな。」
　「そう思う人も多いかもね。でも相手が何もしてくれなくなったらどう思うかな。」
　「最初の頃と随分変わっているのなら腹が立つかもね。〝以前はもっといろいろとやってくれたのに〟って。」
　「それに対して自分はどうするの？。」
　「自分も相手のことはあまりやらなくなるかも。でも夫婦なんてそんなもんかなって思うし。」
　「それでお互いに気楽で仲良くやっていけるのならそれでもいいと思うよ。相手が原因で腹立たしいことが日常的にあってもお互いに上手くいっていると思えるのならね。」
　「それぞれのカップルで幸せのスタイルは違うからね。お互いに優しくすることばかり考えて息が詰まるのなら意味がないよ。」