恋愛と幸せ

　優しさの形はひとそれぞれ。自分の表現方法で行えば良い。確かにその通りかもしれません。でもウェルカムドールたちはちょっと疑問に思うことがあります。
　

優しさとは？

　「自分のやり方で優しくすれば良いってことだけど、やり方によっては相手に優しさが伝わらないこともあるんじゃないのかな？。」
　「どういうこと？。」
　「例えば、ある人の仕事が大変そうだから手伝おうとしても迷惑がられたりとか。」
　「それはその人が仕事の手伝いを求めていないからじゃないのかな。」
　「必要のないところに優しさを投じても仕方ないね。」
　「優しくするときには状況判断が必要だね。特に仕事の場合は任せられるかどうかは相手の能力にも関係しているから、この人には頼めないけどあの人ならお願いしたいってこともあるだろうね。」
　「仕事など能力が関係してくる場合は〝何か私に出来ることがあれば声を掛けてください〟と伝えれば良いんじゃないかな。それだけでも優しさは伝わると思うよ。」
　「手伝いを依頼するかどうかは本人に任せるってことだね。」
　「無理に手伝おうとすると優しさの押し売りになってしまうな。」
　「結果的にミスしてかえって手間を増やす恐れもあるし。」
　「電車やバスで高齢者に席を譲るときでも相手に拒否される場合があるでしょ。相手は〝そんな年寄りじゃない〟って感じになって。そういう場合って状況判断は難しいと思うけど。」
　「そうだね。相手がどう思うかまでは想像出来ないからね。でも譲りたいけど拒否されるかもしれないから譲るのを止めようと思うのならそこに優しさはないよ。いくら優しくしたいと思っても何もしなければ周りから見たら優しくしようと思わない人と一緒だよ。」
　「でも相手に不快な思いをさせるくらいなら譲らない方が良いんじゃないの？。」
　「同じように席を譲られて感謝する人もいるんだから譲った人の問題じゃないよ。相手がどう感じるかは相手の問題だね。」
　「席を譲ってもらって不快に思う人は周りから見たら自分は高齢者であるという自己認識が低いんだろうね。それに譲られたことに対して不快に思うのはその人自身が高齢者を見下しているからなんじゃないかな。」
　「不快になる人の方が少ないだろうから気にすることはないよ。」
　「席を譲ることに限らず、同じように優しくしても全ての人が同じように感謝してくれるわけではないよ。大事なのは感謝されることではなくて、その人にとって必要だと自分で判断した行為を実際に行うことだよ。場合によってはそれをすることで不快な思いをさせることもあるだろうけど、そうすることがその人のためになると思ったのならそれも優しさなんだよ。」