恋愛と幸せ

　人間は何故恋をするのか。人間は他の動物同様本能的に自分の遺伝子を残そうとする、その手段として恋愛をするのではないか。ウェルカムドールたちは更に考えます。
　

恋愛の不思議

　「もしも人間が恋をすることがなければ子孫は残さないのかな。」
　「そうだとしたら今の自分もいないことになっちゃうね。」
　「そういう話だと人間の起源から考えないといけないね。最初の人間がいきなり誕生したというのは不自然だよね。」
　「もともとは脳の発達が未熟で動物同様に発情して子供を作っていたけど、脳機能の発達と共に性交のスタイルが変化してきたのかもね。」
　「最初のうちは特に選ぶことなく近くの異性を相手にしていたのが、徐々に相手を選ぶようになってきたってこと？。」
　「あくまでも個人的な仮説だよ。専門家に言わせたら大きな見当違いと笑われるかもしれないけど。」
　「でも今の人間が恋をすることがないとしても何らかの形で子孫は残そうとするってことになるね。」
　「子孫を残すのが本能としてあるからね。」
　「本能としてなければ人類は絶滅しているはずだな。」
　「どういう形で子孫を残すのかな。」
　「その時代の国の方針で変わるのだろうけど、表向きには契約ってことになるんじゃないかな。」
　「適齢期になったら適当な異性を見つけて同意をもらい、〝2人で子供を作ります〟って役所に届けるような？。」
　「まあ、そんな感じかな。国がそれを勧めるならばね。」
　「その方法だと相手を選ばなくていいから子供を作る人は多いかも。少子化の心配はなさそうだね。」
　「でも人口が増え過ぎて逆に国から制限が掛けられるかもね。どこかの国みたいに〝子供は一人だけにしてください〟なんて。」
　「恋をしないでも子孫を残すことが出来るのなら何故恋をするようになったのかな。」
　「より良い遺伝子を残そうとする本能が働いているからだろうな。」
　「でも本能なら最初からあるんでしょ。だったら最初から恋するんじゃないの？。」
　「恐らく脳が未発達な頃は相手を細かく識別する能力も未熟なんじゃないかな。だから〝力強くたくましい男性〟とか〝ふくよかな胎盤の大きい女性〟とかの分かりやすい性的な特長だけで相手を選んでいたんだと思う。」
　「それに行動範囲が狭いから、周りの人は血の繋がりが近い人が多かったんだろうね。だから本能的に強く惹かれる異性がいなかったのかも。」
　「脳の発達と行動範囲の広がりなどで、血縁関係のない異性に惹かれるようになってきたってことか。同じ町のこの人よりも隣町のあの人の方が良いって感情が芽生えたんだね。恋愛の始まりだね。」
　「人間が進化していく過程で恋をするようになったのは本能として当たり前のことなんだね。」