幸せへの道

　怒りの感情が湧いてもその後にどういう言動をするかで相手の受け取り方が違います。このことについてウェルカムドールたちはもう少し考えます。
　

幸せのコツ３

　「同じ怒りでも時と場合によって自然と使い分けてるね。」
　「自分の夫や妻にはなぜきつく言い返しちゃうんだろう。」
　「その時は〝もう我慢できない〟って感じでつい感情的に言っちゃうけど、会社では結構我慢してるのに。」
　「会社で上司から言われる無理難題を家で言われたら〝そんなの自分でやれば！〟って言うかも。」
　「何が違うんだろうな。」
　「一番は関係性だろうね。それと評価。他人だから遠慮はあるし、本音を言ったら評価が下がる。会社員にとって悪い評価は致命的だよね。」
　「会社の人間関係って微妙だよね。全くの他人ではないけど近い関係とも言えない。赤の他人なら結構平気で苦情を言えるけど中途半端な知り合いだとそうはいかない。」
　「そうだね。例えば運転中に追突された時、相手が知らない人なら〝どこ見て運転してるんだ！〟って厳しく責める人でも、知り合いだったら責めるどころか逆に〝大丈夫？ケガしてない？〟なんて体調を気遣ったりして。」
　「確かに使い分けちゃうね。」
　「それって知り合いにはいい顔をしたいからなのかな。」
　「そういうのはあると思うよ。誰でも周りの人から良い人だって思われたい気持ちはあるでしょ。それも評価を気にしているってことだね。」
　「その場限りで顔を合わすことがない人にはそういうことを気にしなくて良いからきつく言えるんだな。」
　「でも夫婦は一番近い関係なのに、なんできつく言えちゃうの？。」
　「近すぎるから遠慮がないんだね。夫婦に限らず親子や兄弟では喧嘩が日常的によくあるもんでしょ。今更いい顔をする必要がない、評価を気にしなくても良いから言いたいことが言えちゃう。」
　「素のままの自分を出せるのが家族の良さでもあるね。それができないと家にいても息が詰まるよ。」
　「ただ親子や兄弟は血のつながりがあるから何があっても親子であり兄弟なんだけど、夫婦はもともとは他人だから本音をぶつけ合ってばかりだといずれはまた他人に戻ってしまう可能性はあるよね。」
　「いわゆる離婚だね。子供が社会人になって巣立ったら妻から切り出すパターンが増えているみたいだね。」
　「男は子供からも見捨てられて…。ああ、幸せはいずこへ。」
　「そうならないためにもやっぱり夫婦間では怒りをそのまま感情的にぶつけるのは得策ではないってことだね。」
　「相手の言葉にカチンときてもまずは何も言い返さずに時間を置くのがいいんだね。」
　「会社でいつもやっていることだから出来そうだな。」