石川県知事の発言

　驚きました。
石川県知事が東京都民に向けて「無症状の人は（東京から）お越しいただければ」と観光アピールをしていたのです。
県内の経済を心配する気持ちは分かりますが、今この時期にこの発言は信じられません。
県民の一人として唖然としました。
　

県民としての思い

　この発言は3月27日に報道陣の取材を受けて発せられたとのことです。
それが今日になってネットのニュースで取り上げられて多くの人に知られることになったようです。
当時は県内の感染者はやや落ち着いていた時期ですが、東京では既に増加傾向にありました。
発症していない隠れ感染者が多数いるであろうことも周知の事実です。
　

　無症状だからと言って他人に感染させない保証はありません。
むしろそういう人たちが感染源となっているケースが増えています。
いくら何でもそのくらいはご存じでしょう。
そのうえでこの発言なのだから、県民の健康よりも県内の経済の方が重要だと考えていると思われても仕方がないでしょう。
　

　観光に携わる仕事をしている方々が大きな不安を抱えていること、お客様が増えてくれることを望んでいることは多くの県民は理解しているでしょう。
でもそれらの人達は、客足が元に戻るのなら感染しても構わないと思っているでしょうか。
自分や自分の家族、周りの大切な人達の健康を害しても（最悪の場合は死者が出ても）、金銭的利益を優先したいと思っているでしょうか。
　

　今東京から多くの人が訪れて一時的に利益が出ても、多くの不安が残るでしょう。
そしてその不安が現実のものとなる可能性は高まっています。
そうなったら更に経済的打撃は大きくなり、取り返しがつかなくなると思います。
　

　石川県はここにきて感染経路の不明な市中感染が疑われるケースが出てきました。
この2週間が山場だと言われて全校休校が開始されてから既に1ヵ月程経過しました。
でも状況は1か月前よりも悪くなっているようです。
これから感染拡大が本格化しそうな気配です。
多くの人はそう感じていることでしょう。
　

　今日から新年度が始まりました。
親としては新学期が本当に予定通り始まるのか気になる時期です。
若年層の感染者が増えており、死亡者も出ているという報道も耳にするようになりました。
今後、学校での感染の危険性が以前に増して高まっていると思います。
　
　全国的に異動の時期でもあり、都道府県の枠を越えて人間関係が大きく変わります。
そのため、今まで感染が少なかった地域でも新たな感染が広がる危険があります。
今まで以上に警戒しないといけない時期です。
そんな時に感染しているかもしれない観光客を県外から呼び込むようなことは避けてほしいです。
　

　今回の県知事の無神経な発言に困惑している県民は多いことでしょう。
県知事にはこの発言を速やかに撤回していただくことを望みます。
また、東京都を始めとして県外の皆さんには、県知事の発言を鵜呑みにせず自粛していただけるようにお願いします。