現代美術展開幕

　第76回現代美術展が石川県金沢市の県立美術館で今日から開幕されます。
全国的に自粛ムードの中、開幕されることに賛否両論があるようです。
　

美術展と無観客試合

　感染拡大を防ぐため、恒例の開催記念パーティーは見送ったそうです。
それでも開場式は例年通り昨日行われています。
その時の写真が北國新聞に載っています。
　

　今回気になったのは、石川県の危機意識のレベルです。
果たしてこのタイミングで美術展を行う必要があったのでしょうか。
過剰な自粛は問題ですが、敢えて屋内の集客を促進するような催しをしなくても良いように思います。
　

　美術展なら他人と密接しないし会話もしないから安全だろうとの判断かもしれません。
それなら、屋外での部活動の無観客試合も行って良いのではないでしょうか。
競技によっては他の選手とあまり接しないものもあるはずです。
　
　今回出展されている作品は既に完成されたものであり、すぐに劣化することはありません。
今展覧しなくても作品の価値が変わることはないと思います。
でもスポーツは今だからこそ発揮できる力というものがあり、年齢によってはこの時期を逃したらもう出場資格さえ与えられないというものは多いです。
　

　美術展に人が集まるのはOKで、部活動の無観客試合はNG、は何となく腑に落ちません。
それでも何もかも自粛はどうかと思いますので、今回の開催に特に反対しているわけではありません。
鑑賞したい人は感染に気を付けて観ていただければ良いと思います。
ただ、子供たちの状況と比較して腑に落ちないというだけです。
（子供たちの置かれている状況は、県知事や市長などの大人が決めたことです。）

マスク着用によるメッセージ

　開催の賛否よりも気になったのは、写真に写っている人達が誰もマスクを着用していないことです。
まるでマスクをしないように申し合わせでもあったかのように誰一人として着用していません。
（写真は2枚掲載されていて、小さい方にはスタッフと思しき人数名は着用していました。）
集まっているのは石川県知事や金沢市長を始めとして、県美術界の重鎮たちのようです。
重鎮たちの多くは70代、80代の高齢者と思われます。
会話していると思われる人の姿も写っています。
皆、危機意識が無いのでしょうか。
　

　恐らく「石川県は大丈夫や」との安易な思いがあるのではないでしょうか。
東京都の外出自粛要請など他人事のようです。
県内の感染者は今まで8人いますが、全て感染経路が判明していることも無関係ではないと思います。
でもそれは検査をして発覚した人に限られています。
感染していても検査をしていなくて無症状だという人がいても不思議ではありません。
というか、今ではそれが共通認識でしょう。
あれほど「高齢者にリスクが高い」と言われているのにも関わらず、危機意識が低いと言わざるを得ません。
それなのに子供たちには毎朝の検温やマスク着用を要請しています。
　

　屋内イベントに集まっている高齢者たちが誰もマスクを着用していない姿を見て、子供たちはどう思うでしょう。
「もうマスクをしないで集まっても大丈夫なんだ。」
「マスクをしても意味が無いってことなの？」
など、決して良いメッセージとして伝わることはありません。
「知事がしていないんだから、石川県ではしなくて良いんでしょ。」と言われたらどうするのでしょうか。
　

　若者の無自覚な行動に批判が集まっていますが、これは「若いから感染しても大丈夫だろう」という思いがあるからとも考えられます。
もしも「若者は重症化する」と言われていたら、無自覚ではいられないのではないでしょうか。
そう考えると、本当に無自覚なのは高齢者なのではないか、と思わざるを得ません。
　
　大人がマスクをしている姿は、子供にとって分かりやすいメッセージになります。
どこに住んでいても、大人が「自分事」として感染拡大防止手段を講じている姿を見せることで、子供たちにも事の重大さが伝えられるのだと思います。