国際移民デー

　今日12月18日は国際移民デーです。1990年（平成2年）の今日、国連総会で「全ての移民労働者およびその家族の人権保護に関する国際条約」が採択されたことが由来です。2000年（平成12年）の国連総会で制定されました。
　

　その背景に、急速なグローバル化による格差拡大や民族紛争の激化で、より良い暮らしを求めて移住する人々が世界規模で急増したこと、その移住先で新たに不当な差別を受けていること、などがあるようです。
　

移民と難民

　移民とは「通常の居住地以外の国に移動し、少なくとも12カ月間当該国に移住する人のこと」とされています。ただ、これは国際的に合意された定義ではありませんので、国によっては認識が違うようです。また、この定義では移動する原因等については触れていないので、転勤や留学などで外国に長期滞在している人も移民に含まれます。
　

　移民とは違って難民と呼ばれる人たちがいます。難民とは「(1)自国において「迫害を受けるおそれ」がある　(2)「迫害のおそれ」が、人種、宗教、国籍、特定の社会的集団の構成員であること、または政治的意見に基づく　(3)既に自国外に逃れている　(4)自国政府の保護を受けることが出来ない、あるいは迫害のおそれがあるから保護を望まない」の4つの条件全てを満たす人のことを指します。これは国際法上決められていることです。
　

　難民は「自国で迫害を受けるおそれがあるために、他国に逃れた人」ということになります。ということは、単に自国が紛争などで治安が悪いことを懸念して逃れてきた人たちは難民ではないのです。避難民と呼ぶのが正しいようです。私の今までの認識は間違っていました。
　

　日本に生まれ育っていると「自国で迫害を受けるおそれがあるため、他国に逃げる」ということはあまり想像できません。しかし、その原因には差別意識があるわけで、日本人に差別意識がないとは言えません。日本国内でも同じ日本人から迫害を受けるおそれは十分に考えられます。実際に部落問題は差別意識以外の何ものでもないでしょう。差別意識は程度の差はあれ、全ての人に宿っているものだと思います。ただ、それを自分の中に収められるかどうかは人格によって違ってくるのでしょう。自分はどうなのか、考えてみないといけません。