マラソン報告８

　ゴールまで残り5㎞程のところで吐き気を催して、歩いては立ち止まってえずくということを何度も繰り返します。ゴールまでこの状態が続くのだろうかと思うと絶望的になります。
　

復活の兆し？

　時間はどんどん過ぎて行きますが、それほど多くの人に抜かれているわけではありません。参加者が少ない大会はそれが良い点です。1万人規模の大会だと、足が攣って立ち止まっていると数えきれないほど多くの人に抜かれていきます。そのことだけでかなりモチベーションが下がってしまいます。まあ、もうすでにタイムや順位はどうでも良くなっているので、少々の人に抜かれても気になることではないのですが。
　

　もう少しで38㎞地点というところで、かなり大きくえずきました。もちろん何も出なかったのですが、何故だかその後は気持ち悪さが解消されていました。理由は分かりませんが、もうえずくことはないだろうという予感がしました。
　

　その予感は的中しました。それ以降は胃の痛みはなくなったのです。しかし、足のダメージは残っています。気持ち悪さが解消されても快調に走れるようにはなりません。それでも不安が少なくなったのは間違いありません。それまでよりも歩いている時間は明らかに短くなっています。ただ、ここで無理をすると本格的に足を攣ってしまいそうな感覚があります。様子を見ながら騙しだまし走るしかありません。
　

　ようやく39㎞地点を過ぎ、残り3㎞となりました。それまで歩いたり走ったりを繰り返していましたが、ここからは出来るだけ走り続けようと奮起しました。実際にそれまでほぼ同じペースで抜きつ抜かれつしていた人達はいつのまにか後方に離れています。前を走っている人達を抜かすことも増えてきました。この調子でゴールまで辿り着けるのではないか、と思えてきました。
　

　しかし、現実はそれ程甘くありません。残り1㎞地点の手前からまた大腿部の筋肉が固くなってきたのが感じられました。このままゴールまで走り続けられるとは思えません。もしここで無理をして足を攣ったら、もうゴールまでずっと歩きになる可能性が高くなります。ゴールはスタート地点と同じ陸上競技場です。400ｍトラックを約3/4周してゴールをするのです。ゴールまでトラックを歩き続けるのはあまりにも情けない気がします。それだけは避けたい、そう思いました。仕方なくまた少し歩いて足を回復させることにしました。
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・つづく