マラソン報告７

　4時間のペースランナーに抜かれ、最低限の目標達成が不可能と悟ったことで、走り続けることが出来なくなりました。あとはただゴールを目指すだけしか目標はありません。
　

胃痛の再発

　すでに足は限界に来ています。走ろうとすると大腿部の筋肉が固くなってくるのが分かります。足が攣る前兆です。30㎞手前ですが、今は歩くしかありません。もうどれだけ時間が掛かかろうが、どうでも良くなっています。4時間を切れなければ、4時間30分でも5時間でも一緒、そんな投げやりな思いなのです。
　

　そこからは、少し歩いて足を回復させてから走り、また足が攣りそうになっては歩く、という繰り返しです。だんだんと歩いている時間が長くなってきます。
　

　走っている時は足の痛みやしんどさが強かったためか、胃の痛みはあまり感じませんでした。しかし、歩いているとその痛みが徐々にひどくなっているように感じます。それでもまだ足が攣りそうな方が気になります。ですから胃の痛みは何とかなるだろうと思っていました。
　

　35㎞までの上りを歩いたり走ったりしながらなんとかやり過ごしました。あとゴールまでは下り基調です。とは言っても楽に走れるわけではありません。相変わらず歩いたり走ったりの繰り返しが続きます。私の周りにも似たような人が増えてきて、何故だか少し安心します（そんな自分が情けない…）。私が走っている時は歩いている人を抜き、私が歩いていると、さっき抜いた人が私を抜いていくということが、数人の間で繰り返されます。非常に低レベルの“抜きつ抜かれつ”です。別にライバル意識は無いのですが、自然とそうなってしまいます。ある意味、微笑ましい光景です。でも会話は一切ありません。あまりにもみじめな気分のせいか、掛ける言葉が見つかりません。
　

　そのような展開の中、いつの間にか胃の痛みが気持ち悪さに変わっています。なんだか吐き気を催してきました。歩いていた足を止めて、道路わきの草に向かってえずきます。しかし、何も出ません。この6時間以上、何も食べていないのですから当然です。胃の中は空っぽのはずです。でも気持ち悪さは無くなりません。37㎞地点前後は、少し歩いてはえずき、また歩いてはえずく、の繰り返しです。
　

　ウルトラマラソンでこのようになったことはありましたが、フルマラソンでは初めてのことです。一体何が悪かったのだろうかと原因を探りますが、はっきりと思い当たることはありません。とにかく、次回からは胃薬を携帯するようにしようと思うだけです。
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・つづく