マラソン報告５

　いよいよ中盤の登りに入りました。ここでへばるようでは絶望的です。ここまでは思いのほかペースが上がりませんが、胃の痛みもあまり気にならなくなり、特に大きな支障なく走れています。まだ余裕は残っています。
　

予定通りの上り

　上りと言ってもそれほど急な坂ではありません。特に頑張らなくても大きくペースを落とすことなく走れる程度の上り坂です。黒部の温泉街を抜けていき、途中にリンゴ畑などもあり、周りを見ながら走っていれば、それほどきつさは感じないコースです。
　

　それでも20㎞近く来ているので、ペースが落ちているランナーもいます。私自身は無理をして走っているわけではないのですが、今まで前を走っていたランナーを抜くことが多くなっています。逆に抜かれることはあまりありません。もしかしたら意外と調子が良いのかもしれないなどと思いながらも、調子に乗らないように自重しながら走り続けます。

　21㎞あたりで上りが終わり、ここからまた少し下って、28㎞付近の第2折り返しに向かいます。上りの後の下りだと、ここまでの遅れを取り戻そうと、ついペースを上げてしまいがちです。しかし、そうすることで脚に大きな負担が掛かり、後半の走りに悪影響が出ます。下りを甘く見てはいけません。今までそれで何度も失敗しています。
　

　そのためこの下りでは敢えてペースを抑えて走るように心掛けます。折り返してくれば、ここは上りになります。35㎞手前までの最後の上りです。その時に苦しまないように今は自重することが大事なのです。
　

　ペースを抑えているので、上りで抜いたランナーに抜かれることも多くなります。でもそれは想定内なので、悔しくも何ともありません。むしろ抜いていくランナーのことを、さっきの上りで苦労していたのにここで無理してこの後大丈夫なのだろうか、と心配になります。
　

　私はここまで抑えて走っているので余裕があります。いや、余裕があるはずでした。異変を感じたのは下り基調が終わり、平坦な道になってからです。何だか足が重たくなっています。さっきまで下りで同じペースで走っていた前のランナーが何となく遠くに見えるようになっています。いえ、何となくというよりも、明らかに、という方が正しいかもしれません。
　

　まだ25㎞程しか走っていないのに、そんなはずはありません。練習では何度も走っている距離です。ここまできつい坂もなく、無理をしないで走っているのですから、練習の時よりも足に負担を掛けていないはずです。ここからまだ粘れるだろうと思いつつも、嫌な予感がしてきました。
　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　・・・つづく