猿との遭遇

　一昨日、マラソンの練習をしている時に、ついに会いました。猿に。山の中ではありません。民家がすぐ近くにあり、車の往来が多い国道の歩道での遭遇です。
　

2年ぶりのコースで

　いつもの練習コースとは違うコースでのことです。2年前までは毎週のように走っていたところですが、調子が落ちてからは走らなくなっていました。ここは周回コースで、1周ごとにタイムを計って走ります。ですから調子が上がっていないとモチベーションが維持できないのです。ここ2年はスピードが落ち、長い距離も走れなくなっていたので、まずは長い距離に慣れることを優先して別のコースで練習していました。このコースを走るレベルに至っていなかったのです。
　

　しかし、2週前のフルマラソンの大会を（ボロボロになりながらも）走ったのが良かったのか、先週の練習では意外と調子よく走れたので、久しぶりにこのコースを走る意欲が湧いたのです。実際に走ってみると、適度なアップダウンがあるのでやはり走りがいがあります。そして自然とアグレッシブな走りになります。無意識のうちにペースが上がるのです。1周は約4.6㎞、脇道をプラスすれば5㎞にもできます。前半の1.3㎞は急な上り坂とは言えませんが、周回を重ねるごとにきつく感じられるところがたまりません。
　

　通常は3周目にその日のベストタイムが出ます。一昨日も同様で、下り坂を降りきった中間地点ではそれまでのベストでした。ただ、その3周目の途中で猿に遭遇したのです。国道を走っていると目の前に何か動くものが見えます。近付くと猿だと言うことがすぐに分かりました。そのまま脇道に入っていくのかと思っていたら、脇道入り口のところで座り込み、こちらを見ています。20m程近くで私も足を止めざるを得ません。このまま歩道を走っていたら、猿の1m脇を通らなければいけなくなります。仕方なく私も止まり、猿がいなくなるのを待ちます。車はたくさん走っていますが、周りには誰もいません。
　

　しかし、猿は私に視線を送りながらも、全く動く気配を見せません。人間には動じないようです。普段からよく出没しているのかもしれません。国道を走る車は猿に気が付いているのかどうかは分かりませんが、相変わらず何台も走り過ぎていきます。でもそんなことは全く気にしていません。堂々としたものです。
　

　時々猿に襲われたというニュースも聞いているので、下手に刺激して襲われたら困ります。でもいつまでも猿とお見合いしているわけにはいきません。車道の反対側に渡り、路側帯を歩いてその場を行き過ぎ、そしてまた走り続けました。イノシシや鹿は人間に気付いたら逃げてくれるけど、猿は逃げないことが分かりました。でもこちらから刺激しなければ安易に襲ってくることもなさそうです。相手が猿でも人間でも刺激しないことが共存する上では大事なことだということです。
　

　4周目にはもう猿の姿はありませんでした。目標の6周を走り終えて練習を終えました。調子はまずまずでした。