高校野球準決勝

　昨日は高校野球の準決勝2試合が行われました。雨で開始が1時間遅れましたが、第1試合で履正社が明石商業に7－1で勝利、第2試合では星稜が中京学院大学中京に9－0で勝利しました。
　

漫画のようなストーリー

　明日の決勝は履正社対星稜のカードになりました。この対戦は今年春の選抜の第1試合のカードと同じです。この時は星稜が3－0で勝利しています。奥川投手が前評判の高かった履正社打線を3安打で完封しています。履正社はこの敗戦で「奥川投手を攻略できなければ甲子園で優勝できない」と悟り、その後打倒奥川投手を目標に打撃を磨いてきたとのことです。しかし、6月の練習試合でも打ち崩すことは出来ずに負けています。そこから更に努力したことでしょう。その成果が実り、大阪大会を勝ち抜き甲子園に来てからも打撃が好調で快勝を続けています。
　

　そしてついに打倒奥川投手、打倒星稜の機会が訪れたのです。それも甲子園での決勝戦というリベンジの場としてはこれ以上ない最高の舞台です。漫画であれば履正社が奥川投手を打ち崩して勝利するというストーリーになるのが常道でしょう。果たして履正社に女神がほほ笑むのでしょうか。
　

　さて一方の星稜ですが、ここにきて急に打撃が好調になりました。県大会から甲子園3戦目までは得点力の低さに大きな不安がありました。それが3回戦の智辯和歌山戦でのサヨナラホームランをきっかけに急変しました。準々決勝の仙台育英戦で17得点、昨日の準決勝でも9得点です。それも早い回での先制点と終盤でのダメ押し点などいつでも得点できるようになっています。「打てない星稜打線」が一変したことは相手にとっては脅威でしょう。
　

　星稜も昨年の済美戦での延長13回タイブレークでの逆転サヨナラ満塁ホームラン被弾による劇的な敗戦、今年春の選抜2回戦での習志野戦でのサイン盗み疑惑での対応によるバッシングなど、この1年は不運に見舞われたと言っても良いでしょう。特にサイン盗み疑惑の一件でヒールイメージが付いてしまったことは否めません。この夏の大会開幕当初もアンチ星稜の声が聞かれました。星稜は監督をはじめとして選手全員がつらい思いをしたことと思います。
　

　しかし奥川投手の驚異的な好投とチーム一丸となる試合運びによりヒールイメージが消え、むしろ応援の声が大きくなっています。今までは数々の劇的な試合での敗者として名を残してきた星稜ですが、今回こそそのイメージを払拭する機会です。気がかりなのは奥川投手の疲労です。万全の状態なら履正社打線と言えども打ち崩すのは難しいと思いますが、今までの疲労が溜まっていることを考えるとある程度の失点は覚悟しないといけないでしょう。それでも今はチーム全体がとても良い状態のようなので、かなり期待は出来ると思います。
　

　とにかくどちらが勝ってもあと1試合で終わりです。どの選手も全力を出し切って悔いなく終わってほしいです。