太平洋横断記念日

　1962年（昭和37年）の今日、海洋冒険家である23歳（当時）の堀江謙一さんが小型ヨット〝マーメイド号〟で単独の太平洋横断に成功してサンフランシスコに到着しました。堀江さんは水20ℓ、米40㎏、缶詰200個を携えて5月12日に兵庫県西宮市を出港、8月12日までの3か月に渡る航海でした。この成功を記念して8月12日が太平洋横断記念日となりました。
　

　当時、日本ではヨットでの出国が認められていませんでした。そのため堀江さんの行為は密出国扱いとなり、日本国内では非難の声が多かったそうです。ところが、到着したアメリカでは称賛され入国が認められたうえ、さらに名誉市民として1か月間の滞在が許可されました。それを受けて日本でも手のひらを返したように英雄扱いになったようです。その結果、密出国の罪に問われることなく、起訴猶予処分となりました。
　

　堀江さんが帰国後に出版した著書「太平洋ひとりぼっち」はベストセラーになり、1963年（昭和38年）には石原裕次郎主演で映画化もされています。
　

　堀江さんはこの太平洋横断の他にも、自転車でのアメリカ一周（1964年）、単独無寄港での世界一周航海（1974年）、縦周りでの世界一周航海（1982年）、足漕ぎボートでのハワイ～沖縄間航海（1992年）など多くの冒険を成し遂げています。
　

海の怖さ

　冒険家と聞くと何となく格好良くて憧れます。しかし私には無理でしょう。特に海は怖いです。この夏も各地で海の事故が頻繁に起きています。海は油断すると波にさらわれる危険が常に付きまといます。
　

　私は以前トライアスロンをやっていたので海を2~3㎞泳ぐこともありましたが、毎回「溺れるんじゃないか」と恐怖感がありました。もともと水泳は苦手でトライアスロンをやるために仕方なく泳いでいたのです。「怖い」と思っていると余計に身体が動かなくなって危険なので、出来るだけ考えないようにしていましたが、それでも泳ぎ始めは緊張してしまいます。300mくらい泳ぐと少し楽になってくるのですが、そうなる前には本当に棄権しようかと思ったこともありました。ただ、それではあまりにも格好悪いから何とか泳ぎ続けていたのです。（トライアスロンは水泳→自転車→ランニングの順番で行う競技なので、泳ぎ始めて300m以内というのは競技開始してほんの数分なのです。）
　

　今でも水をがぶ飲みしたり、シャワーを顔面に掛けたりして息が苦しくなると、いつも「溺れる時はもっと苦しいんだろうな」などと考えて怖くなります。そして東日本大震災で津波にさらわれた人たちのことを考えてしまいます。
　

　それだけに海で仕事をしている人達はすごいなと思います。漁師さんや海上保安庁の人達（海猿のイメージですけど）などは毎日危険にさらされているわけで、私には出来ない仕事です。尊敬します。