発明の日

　1885年（明治18年）の今日、専売特許条例が公布されました。これは現在の特許法の前身となるものであり、日本の特許制度が始まりとなります。そして1954年（昭和29年）に特許庁と当時の科学技術庁（現在の文部科学省）が4月18日を発明の日と決めました。
　

発明のすすめ

　発明とはどういうことを言うのでしょうか。特許法で〝発明とは自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう〟と定義されています。なにやら難しい表現ですが、もともと自然界に存在しているものを見つけてもそれは発見であって発明ではないが、自然界にあるものを使って今までに存在していないものでなおかつ高いレベルの物を作り出したら発明だということのようです。
　

　そしてその発明を保護する権利を特許権と言います。特許を得るには出願して特許庁の審査に合格しないといけません。毎年十数万件の出願があり、そのなかで申請許可が下りるのが3割、更に商品化まで至るのはそのうちの2割ほどだそうです。特許を得るための費用がかなり必要なようなので特許権を得ても報われるかどうかは分かりません。特許を取って大儲けしたという話をたまに聞きますが、おそらくそういう人はほんの一握りなのではないでしょうか。
　

　特許を得るかどうかは別にして発明とは楽しいものです。自分で新たなものを生み出すには多くの失敗を伴いますが、成功した時にはとてもうれしいものです。実際には既にどこかで誰かが同じものを作り出しているのかもしれません（多くの場合はそんなものでしょう）。しかし自分の知るところでは誰もそれを作っていないというのは何となく誇らしげな思いが生じます。それがまた新たな物作りへの意欲にもなります。
　

　私の人形作りも他の人が作っていないものを目指していますので、作り方に手本はありません。発明とまでは言えないかもしれませんが自分であれこれ考えて失敗を繰り返しながら少しずつ進化させています。頭を使いますので老化防止には良いように感じています。物作りでも同じものを毎日作っていては頭を使わなくなるのであまり良いとは思えません。そういう意味でもいろいろと工夫して発明をすることは大事だと思います。ただ、ずっと工房にこもってばかりで運動不足にならないように気を付けましょう。