鉄腕アトム誕生日

　今日4月7日は鉄腕アトムの誕生日だそうです。2003年生まれなので今日で16歳になります。手塚治虫先生は鉄腕アトムの原作を1952年に描き始めていますが、半世紀後にはアトムのような人型ロボットが誕生しているかもしれないと考えていたのでしょう。現実には人型ロボットは既に誕生していましたが、残念ながらアトム程人間に近い能力を有したものは未だに誕生はしていません。（もしかしたら私の知らないところで誕生しているかもしれません。）
　

人型ロボットの意味

　人型ロボットも人間の形をしているので人形の一種と言えるでしょう。一般的にはロボットと言えば人の形をしているものを思い浮かべる人が多いと思いますが、実際には人の形をしている方が少ないでしょう。今や大手製造業の現場では人の代わりに製作加工を担うロボットは欠かせないものとなっています。
　

　ではロボットをわざわざ人型にする意味はあるのでしょうか。製造現場で物を作るだけの用途の場合は人の形にすることはナンセンスです。アームが3本あった方が効率的なはずなのに敢えて人間に合わせて2本にすることは馬鹿げています。顔も必要ありません。人の形にする時は人の形であることが重要である場合です。つまりロボットを作る目的は何なのかが大きく関わっているのです。
　

　現在我々が目にする人型ロボットの役割の多くは直接人間と接してコミュニケーションを図ることではないでしょうか。人間の問いかけに素早く反応して回答するものはあちこちで見かけるようになっています。施設内の案内役だったり飲食店の受付などでも見られるようになりました。案内の役割は人型でなくても果たせるはずですが、敢えて人型にすることで親しみやすさを感じられる気がします。（慣れるまでには少し怖かったり何となく恥ずかしかったりもしますが…。）
　

　SF映画にも人型のロボットが出てきます。相手を倒す目的であれば人型ではない方が効率が良いと思いますが、人型にすることでそこに人間のような心が存在しているように思わせたいのではないでしょうか。しかしその心は冷淡で攻撃することに迷いはありません。温かいが故に揺れやすい心のある人間との違いを表現しているように感じます。ロボット社会に対する警告や風刺も含まれている気もします。
　

　本来は心を持たない機械であるはずのロボットを人型にすることには、そこに人と同じ心があるように感じさせる意味合いが多分にあると思います。それにより接する人に対して安心感を与えることは出来るでしょう。可愛らしい表情にすれば癒しの効果も期待できます。
　

　古来から人間の生活のそばには人形がありました。人形により恐怖を感じたり癒しを感じたり様々なものが存在しています。ロボットも含めた全ての人形はただの物です。でもそこに恐怖や癒しを感じるのは接する人間がそこに命のような存在を感じるからだと思います。