そっくり人形作りの公式

　私は常々〝自分の生まれ持った才能を活かす仕事をすることが社会貢献になる〟とお伝えしています。私がこの仕事を始めたのもその思いがあるからです。自分が自分らしく生きるためにも大事なことだと思います。苦手なことに挑戦することも時には必要ですが、そればかりだと人間はどうしても気持ちが暗くなりがちです。苦手を乗り越えたその先に更に自己の才能が開花する希望が見えるのであれば良いのですが、その兆しが全くない状況で暗闇の中を手探りで歩んでいるのでは自分らしさも闇の中で迷子になってしまいます。
　

偏りのある能力

　人間はそれぞれ生まれ持った能力に差があります。勉強が出来る人でもすべての科目でトップになれるわけではありません。ごく稀にそんな人もいるようですがその人は勉強以外に何か苦手なことがあるものです。短距離走が速い人は長距離走が苦手なはずです。人間はそういうふうに出来ています。
　

　自分の仕事を考える時には自分の得意分野を知っていることは重要です。得意なことをやり続けることでさらなる上達が望めるからです。その世界のトップにならなくても良いのです。多くの人が出来ないことを自分が出来るのであればそれをやることが社会のため、人のためになるのだと思います。〝好きこそものの上手なれ〟と言われますが、好きだからといって必ず上達するとは限らないので注意が必要です。歌が大好きだからといって頑張っても歌手として生計を立てることは多くの人にとって難しいことでしょう。
　

　能力に偏りがあるのだから得意なことで勝負をした方が仕事としては有利であり有益だということです。極端な例えですが、マラソンの才能があるのに短距離が好きだからといって100ｍ走でオリンピックを目指すのは明らかに不利です。社会のため、日本のためを考えたらあまり好きではなくてもマラソンをやる方が良いのです。最終的には自分の判断で決めることですが、社会貢献ということを考えると好きなことよりも得意なことを選択するのが賢明だと思います。趣味でやるなら好きなことで構いませんが…。