恋愛と幸せ

　誰でも恋人からは優しくしてもらいたいもの。でも自分が望んでいるほど優しくしてくれない人もいる。その場合でも優しさを強要せずに自分が我慢するのが優しさである。理屈では理解できますが、ウェルカムドールたちは何となく腑に落ちないようです。
　

優しさの見返り

　「相思相愛なんだから、やっぱり自分が優しくしているのと同じくらい優しくしてもらいたいな。」
　「片思いなら仕方がないって諦められるけどね。」
　「自分が優しくしてばかりで相手は返してくれないなんて不公平な感じがする。」
　「付き合い始めの頃は相手ももっと優しかったのだとしたら裏切られた感じだろうね。そこに不満があるならその思いを伝えれば良いんじゃないのかな。喧嘩になるかもしれないけど。相手が優しい人なら理解してくれるだろうし、そうでなければそれ以上望んでも虚しくなるだけだね。」
　「そもそも優しさに見返りを求めることが違うんじゃないかな。」
　「確かにそうかもね。ボランティアは相手からの見返りを求めないのが普通だよね。」
　「でも恋愛はボランティアじゃないよ。」
　「じゃあ、相手が優しくしてくれなければ自分も優しくしたいとは思わないの？。」
　「そんなことはないけど。自分が好きな人には優しくしてあげたいと思うよ。」
　「相手に優しくしたいとか役に立ちたいっていう自分の思いからそうしている所はボランティアも同じだよ。ボランティアでは相手の笑顔や感謝の気持ちという見返りがあったりもするけど、それを実感できない場合もある。でも見ず知らずの誰かのために行動したという充実感は残るものだね。恋人に対してだって、相手のためにこれだけのことをしているという充実感で満足できると思うんだ。」
　「でもやっぱり相手から感謝の一言くらいもらいたいものだよ。」
　「それなら今の人と別れて感謝の言葉を言ってくれるような人を恋人にしたら良いんじゃないかな。」
　「いや、それは出来ないでしょ。」
　「選択肢はいろいろとあるんだよ。自分の理想像を優先したいのなら、今の恋人にこだわる必要はないよ。でも他の選択肢もある中で敢えて今の人を選んだのなら、その人と上手くやっていくために自分はどういう考え方をしたら良いのかを考えないとね。」
　「一人で生きている時と恋人2人との時、更に結婚して子供が出来てからの考え方は変えていかないといけないってことかな。」
　「相手だっていろいろ考えて変えている所はあると思うよ。ただそれが分かりづらいだけじゃないかな。本当の優しさは何気ない日常の中に隠れていて結構伝わりにくいものだよ。見返りを期待していないから。」