そっくり人形作りの公式

　私が人形を作るときにはいろんな材料を使います。粘土、ポリウレタン樹脂、シリコン、布、発泡ウレタンなどなど。それぞれの材料にもいろいろな種類があります。一口に粘土と言っても多くのメーカーから様々なものが発売されていてそれぞれ特性が違っています。ただその特性の違いは実際に使ってみないと分からないものです。
　

　残念ながら予算の関係上それら全てを試すわけにはいきません。私の場合は手に入りやすい汎用品を使うことが多いです。本当はもっと専門性に特化した使いやすいものがあるのかもしれません。でも取り敢えず今使用しているもので特に不都合を感じることはありません。
　

粘土について　例えば粘土は〝ラドール〟というものを主に使っています。石粉を原料とした石塑粘土という種類のものです。ホームセンターや手芸用品店などで比較的安価で手に入ります。粘土の伸びが良く乾燥してからも粘土を継ぎ足すことが出来るので便利です。私は粘土は人形の原型として使うだけで、そのまま完成品になるわけではありませんのでこれで十分だと感じています。安価で手に入れやすく使いやすいという要素が重要なのです。
　

　粘土を硬化させてそのまま人形本体として完成品にする制作方法であったならば、他にももっと試していたかもしれません。特に気になるのがプロのクリエイターに人気であるスーパースカルピーというプラスチック粘土です。これは常温で自然乾燥することは無く135℃で焼くことで硬化します。油粘土のような滑らかさがあるようです。一度使ってみたいと思うのですが、価格がラドールの5倍くらいと高価なため手が出せません。物作りはいろんなことでお金が掛かります。趣味とは違って仕事では出来るだけ余計なところに出費しないことが大事だと思います。
　

　そういえば、先日探し物をして押入れの荷物を開けていたら20年くらい前に購入した未開封のラドールが出てきました。当時は単に趣味で使っていたのですが、その頃から今と同じ粘土を使っていたのだと思うと無性にラドールに愛着が湧いてきました。未開封でしたがかなり硬くなっていてその歳月の長さを実感しました。それだけ歳を取ったということも実感せざるを得ませんでした。残念ですが、間違いなく髪の毛が薄くなっていることを認めないといけないようです。