風邪をひいて思ったこと

　ここ数日風邪気味です。昨夜は発熱もしました。幸い軽い症状で済んだので既に熱は下がっています。ただ頭痛がするのでまだおとなしくしています。いつもなら土曜日は朝からマラソンの練習で長距離を走るのですが、今日は控えています。
　

当たり前という幸せ

　普段は自分が健康であることを特に意識していませんが、病気になった時に健康であることがいかに幸せであるかが分かります。でもそれは健康でいることが当たり前だと思っているからかもしれません。世の中には健康とは言えない状態が当たり前の人もいます。そういう人たちは不幸なのでしょうか。
　

　病気やケガで入院している人や自宅療養している人でも自分は不幸だと思っている人もいればそうは思っていない人もいる気がします。同じような状態でも感じ方には差があるようです。また、障害がある人の中には〝何故私ばかりこんなに不幸なのか〟と嘆く人もいれば〝これが当たり前だから不幸だと思ったことが無い〟と言う人もいます。確かに不便と不幸は違うけれど、不便を多く強いられると不幸だと思う気持ちも理解できます。不幸だと思わない人は強いのでしょうか。
　

　ここで、幸せの反対語は不幸なのだろうか、という疑問が湧いてきました。辞書で調べると不幸は〝幸せでないこと〟という意味になっています。しかし、恐らくそれは真実を表現してはいないと思います。幸せではないけれど不幸でもないという状態はあるのではないでしょうか。
　

　私は自分が幸せだと思うことは時々ありますが、不幸だと思うことはあまりありません。そう思えるのは恵まれているからなのかもしれません。ただ良く考えてみると幸せだと感じる時の多くは〝ああいう状況に比べて〟という比較をしている気がします。比較対象となるのは例えば悲惨な事件や事故だったりします。今そのような事故に合わずに普通の生活が当たり前に出来ていることに幸せを感じています。
　

　ではもしも自分や家族が事故に合ったら不幸だと思うのでしょうか。それは分かりません。ただそのような状況になった時にそれまでの生活が幸せだったことを改めて感じることは間違いないと思います。だからと言ってその時の自分が不幸だと思うとは限りません。その時には〝生きていただけ幸せだ〟〝家族が助かって幸せだ〟と思うのかもしれません。ただ家族に先立たれたら大きく深い悲しみに落ちることでしょう。そしてそれを不幸だと思うかもしれません。そう考えるとそうならなかっただけでも幸せなはずです。
　

　風邪をひいて寝込んだ時に不幸だとは思いませんでしたが、幸せだとも思えませんでした。ただいつもの日常と違い身体がだるいことがつらかっただけです。食欲もないし食べてもあまりおいしくない。何となく1日がつまらなく過ぎたというだけでした。それが毎日続くようになったら不幸だと思うのかもしれません。それは健康で暮らしていた時と比較してしまうからなのでしょう。でももしかしたら少々だるくても自分で動けて食事を出来るだけ幸せだと感じるかもしれません。
　

　人生にはいろんなことが起きるものです。そのたびに一喜一憂して幸せだ不幸だと思うことが間違っているのかもしれません。自分が幸せだと思うことは良いことだと思いますが、そこにあるのはただの日常だということです。波乱万丈があってもいつもと同じように時が流れる、それが当たり前の日常なのだと思います。