恋愛と幸せ

　恋をして相手を選ぶというのは良い遺伝子を残すための手段としては結構いい加減のような気がしてきました。ウェルカムドールたちの疑問はまだまだ続きます。
　

恋愛の不思議

　「恋は盲目って言われるけど、まさしくその通りなんだね。でもそれで良い遺伝子を残すことが出来てるのかな。」
　「確かにそれが本来の目的なんだからロマンチックなだけじゃ意味が無いよね。」
　「皆が外見だけで選んでいたら外見が良い遺伝子しか残らないんじゃないかな。そんなことで良いのかな。」
　「何が良い遺伝子なのかはその時代で異なってくるんだと思うんだ。だから大事なことは出来るだけ多くのいろいろな遺伝子を残すことなんじゃないかな。自然界全体を見ると時代に合わない遺伝子は自然淘汰されているということを考えると、こうして生き残っていること自体が今の時代に適合した良い遺伝子なんだと思うよ。」
　「力強いだけで勉強が全くできない男性は今の時代では女性に選んでもらえずに遺伝子を残せない。そうなるとそのタイプの男性は時代の流れと共に徐々に少なくなっていくことになるね。」
　「力強いだけの男性がモテる時代ではなくなっているのは今の時代が求めるものが昔に比べて変化しているからなんだね。」
　「でも次の時代の求めるものが何なのかは分からない。頭が悪いよりは良い方が良いけど、勉強さえできれば良いってわけではなさそう。分からないから相手を選ぶ基準も不明瞭。たとえ分かったとしても適した相手と出会って結ばれるとは限らない。そんなこと考えていたらいつまでも遺伝子を残すことは出来そうもないな。」
　「だから恋して盲目的になって相手を決めてしまえばそれだけ多くの遺伝子を残せるってことか。」
　「それに遺伝子は両親の良いとこ取りって決まってるわけじゃないよね。どんな才能を持って生まれてくるかは誰にも分からない。美形カップルから必ず美形の子供が生まれるわけではない。逆にトンビが鷹を生むって諺もあるように普通の親から天才と呼ばれる子供が生まれることもある。だからたくさんの遺伝子を残す方が全体として見たときに良い遺伝子を多く残すことが出来るんだよ。」
　「ということは、恋愛は敢えて盲目にさせているってことになるね。」
　「そうなんだろうね。遺伝子をたくさん残すために出来たシステムと考えれば当然のことなんだね。」
　「じゃあ、自分はモテないと思っている人でも、誰かと相思相愛になる可能性はあるってことだね。」
　「結婚している人たちが美男美女ばかりではない、むしろそういうカップルの方が少ないってことは、そういうことだね。」