恋愛と幸せ

　恋をする。それは人間が他の動物とは違う特徴のようです。脳が発達する過程で獲得した特性なのではないかとウェルカムドールたちは考えます。
　

恋愛の不思議

　「より良い遺伝子を残そうとして相手を選んで恋をするはずなのに、実際には学力や体力に優れている人ばかりがモテるわけではないよね。どうしてなのかな。」
　「難しい問題だね。最初の頃は狩猟に優れた体力を持つ男性や子供を多く産める体格の女性がモテたのではないかと推測出来るけど、その後どう変化したのかは時代背景が関係しているんじゃないかな。」
　「狩猟に行かなくても食料が確保出来るようになったり、子供を多く生まなくても良くなったからってこと？。」
　「まあ、大雑把に言うとそんな感じだと思うけど。」
　「今でも体力のある男性やふくよかな女性はそれなりに人気はあるよ。でもそれ以外の要素の占める割合が多くなっているんだろうな。」
　「外見っていうのは大きいね。」
　「第一印象で相手を判断する傾向はあるね。それって昔からそうなのかな。」
　「古い文献にも美しい女性に対する記述があるところを見るとあったんだろうね。」
　「美しさの基準が時代によって違うんだろうけど。」
　「浮世絵の美人画がどれだけ真実を描いていたかは分からないけど、今の時代ではとても美人とは言えないな。」
　「実物はあのままの顔ではないだろうけど、大きく違うことはないんじゃない？。違っていたら人気が出ることは無いと思うな。」
　「浮世絵の時代は外見の好みはあって当然だと思うけど、人間が恋をするようになった頃はどうだったんだろう。同じくらいの体力だったらイケメンの方がモテたのかな。」
　「全く分からないね。でも脳が未発達な赤ちゃんでも目が見えるようになってから男の人に抱かれると泣きやすい傾向があるから、ある程度外見が醸し出す雰囲気で識別しているんだろうね。」
　「男性は何となく怖いってことか。」
　「ということは、昔から外見で人を判断していた可能性はあるんだね。」
　「あくまでも推測だよ。それに恋愛の好き嫌いとは違う気がするな。赤ちゃんでも安心できるかどうかだと思うから、それに近い感情なんじゃないかな。」
　「でも〝安心できる人〟っていう印象は大事だよね。いずれ〝好き〟に変わるかも。」
　「今の時代でも安心できるっていうのは相手を選ぶポイントだと思うよ。いくらイケメンで体力や学力があっても暴力をふるう人だと一緒には暮らせないよね。」
　「第一印象で好感が持てる人は自分にとって安心感があるんじゃないかな。信頼できる人とも言い換えることが出来るね。」
　「外見の好みは相手に対する信頼感を無意識に優先しているのかもね。」