やりがいと幸せ

　ご主人様にそっくりなウェルカムドールたちはご主人様の代わりを務めるのが仕事です。自分の仕事にやりがいを感じている者もいればそうでない者もいるようです。仕事のやりがいって一体何だろう、ウェルカムドールたちは考えます。
　

やりがいのある仕事とは？

　「お金がやりがいに繋がるのは理解できるな。頑張った分お金をたくさんもらえるとうれしいもんね。」
　「でも固定給だと頑張っても頑張らなくてももらえる額は一緒だよ。」
　「最近は昇給が少ないから頑張りがいがないかもね。」
　「サラリーマンがやりがいを感じないのはそのせいかな。」
　「高度成長期は頑張った分昇給も昇進もしたからとてもやりがいはあったんだろうな。今の時代は一生平社員の人もいるから大変だね。」
　「そんな時代だけど、仕事にやりがいを感じている人も結構いるみたいだよ。」
　「そういう人はお金以外のものがやりがいに繋がっているってことだね。」
　「お客様からの評価が良いと仕事を頑張れるね。」
　「自分が頑張ることで目の前の人が喜んでくれると張り合いを感じるもんね。」
　「私たちウェルカムドールも同じだね。」
　「人に褒めてもらったり喜んでもらったりすると誰でもうれしいよね。」
　「そういう仕事に就けると良いね。」
　「介護施設や病院の仕事とかはそうだね。」
　「福祉や医療の仕事は目の前の人とダイレクトに繋がっているから〝この人のために〟っていうのが分かりやすいね。でも他の仕事もダイレクトじゃないだけで、お客様の役に立っているのは同じだよ。」
　「製造業の人は毎日工場内で同じような作業の繰り返しかもしれないけど、その製品を使う人の役に立っているってことか。」
　「直接お客様の顔が見えないだけで、〝お客様のために〟っていうのは同じだね。」
　「ただ、喜ぶ顔が見えないとやっぱりやりがいを感じにくいと思うな。」
　「会社の役員さんたちは〝お客様のために〟って旗を振るけど、下の社員たちには嘘っぽく聞こえているかもね。〝自分たちの利益のためじゃん〟なんて。」
　「そう思うと頑張って働いても自分たちの給料に反映されないとやる気をなくしちゃうのも仕方ない気がする。」
　「ボーナスが増えればちょっとは違うかも。」
　「でも半年に1回のボーナスだけだとモチベーションを常に維持するのは難しいと思うな。」
　「期待通りの額が保証される訳でもないしね。」
　「そうなるとお客様の喜ぶ顔が見えにくい仕事のやりがいってなんだろう。」
　「スキルアップすることとかは？」
　「自分の職務で成長を感じられること、ってことか。」
　「この仕事なら誰にも負けないっていう気持ちが持てるとやりがいを感じるだろうね。」