幸せへの道

　現状を受け入れてパートナーに優しく接する。それが2人の幸せへ繋がる道のようです。でも簡単なようで難しい気がします。ウェルカムドールたちは話を続けます。
　

幸せのコツ９

　「確かに言われることは分かるけど、そう簡単にはいかない気がする。」
　「現状を受け入れられたとしても一度信頼関係が崩れたパートナーに優しくするのは難しいと思う。」
　「簡単ならもう皆やっているよ。誰もが幸せになりたいんだから。」
　「人間は誰とでも仲良くなれるわけじゃないからね。どうしても好きになれない人は必ずいるよ。」
　「無理に優しくしようとしてもストレスが溜まるだけじゃないかな。」
　「こっちが優しくしても相手が変わらなかったら余計に癪に障る。」
　「もともと相性が悪いんだったら頑張っても無理なんじゃない？。」
　「でも結婚したということは最初の頃は仲が良かったはず。決して相性が悪いわけではないと思うんだ。それが上手くいかなくなったのは何故なのか考えてみたらどうかな。」
　「よく聞くのは夫の浮気だね。」
　「相手の何気ない言葉でひどく傷ついたっていうこともあるよ。」
　「子供の教育について意見が合わないことばかりで価値観の違いに気付いたとか。」
　「どれも〝こんな人だとは思わなかった〟っていうことで、今までとは相手への思いが180度変わってしまった感じだね。」
　「今までは良い面しか知らなかったけど、裏の面も知って失望したってこと。」
　「人間は誰でも裏表あるよ。良い面しかない人なんていないんだから失望するのはおかしいと思うな。自分だって誰にも見せられない面を持っているでしょ。」
　「まあ、そうだけど…。」
　「表と裏を合わせてあなたという人間。表は愛せても裏はいらないって言われたらどう？。困るよね。どっちも自分なんだから両方を受け入れてもらえないと。そんなことをいう相手を〝心の狭い人〟とか〝自分勝手〟とか思うんじゃないかな。」
　「そうだね。」
　「裏を知っても表が無くなったわけではないよ。昔好きだった面は今でも残っているはず。それが裏の面を知ることでこちらの態度が変わって相手も表を見せなくなっただけだと思う。」
　「こっちに見せる面が表から裏に変わったってことか。」
　「相手にしてもこっちが変わったと思っているかもね。」
　「こっちも裏面を見せているんだろうね。自分はそんな気は無いんだろうけど。」
　「相手は自分を映す鏡だよ。裏面を見せられているということは自分も裏面を向けているってこと。」
　「鏡か…。確かにそうかもしれないな。」