幸せへの道

　2人がともに幸せになるためには相手への気使いが欠かせないようです。ウェルカムドールたちは更に話を続けます。
　

幸せの形４

　「結婚したからと言って幸せが保証されたわけではない。結婚したことでかえって幸せが遠のいてしまうこともあるだろうね。」
　「結婚という枠に納まることで気が緩んで相手への配慮が疎かになりやすいね。結婚前、特に付き合い始めの頃は優しかった人が結婚してから態度が変わったって話は時々聞くよ。」
　「そう考えるとやっぱり結婚しない方が幸せでいられるような気がするな。」
　「でも全てのカップルがそういうパターンではないから。結婚してみないと分からないよ。」
　「〝なんでこんな人と結婚したんだろう〟ってことにならないようにするにはどうしたらいいのかな。」
　「相手に変わってほしいって思っても難しいだろうね。直接言ったら喧嘩になりそうだし。だからと言って言わなければ変わらないだろうし。」
　「相手に望むのではなく自分がどうしたら良いかを考えたらどうかな。」
　「自分が我慢するってこと？。」
　「いや、相手の態度がどうであれ、自分は相手への配慮を忘れないようにするとか。」
　「でもそれってなんか損してる感じじゃない？。」
　「人間は自分に優しくしてくれる人には優しくしたいと思うし、怒りを向けてくる人には怒りを感じるもの。そう考えると相手の態度は自分を映している鏡なのだと思う。相手が無配慮だと感じるのなら、もしかしたら自分も相手に対して配慮が欠けた言動をしているのかもしれないってこと。」
　「自分の言動を思い返してみるのもいいね。自分にとってはほんの些細なことでも相手はひどく傷ついたのかもしれないし。」
　「たとえそういうことがなかったとしても、自分が相手に配慮を欠かさなければ相手はその心遣いに気付いてくれていると思う。それに甘えてわがまましているだけなのかもしれない。」
　「態度が変わったって言っても、今までと違う面が見えてきたってだけで、まだまだ優しいところも残っているんじゃないかな。優しさが当たり前になっているから変わったところが強調して感じられるのだと思うな。でも相手も自分に対して同じように感じているかもしれないよ。」
　「幸せになりたいのなら相手の態度がどうであれ自分は配慮を忘れてはいけないな。それと態度が変わるのはお互い様とも言えるので相手の変化を受け入れる寛容さを持てると良いね。長いこと一緒に仲良く暮らすには配慮と寛容さの両方が必要だと思うよ。」