進化の日

　今日11月24日は進化の日です。1859年の今日、イギリスの自然科学者であるチャールズ・ダーウィンの著書「種の起源」の初版が刊行されたことが由来です。
　

　ダーウィンは「長い時間を掛けた自然選択を通じて、生物は常に環境に適応するように変化し、種が環境に応じて分岐していくことで、多様な種が生じる。」と説きました。
　

進化と進歩と退化

　進化とは進んで化けると書くように、自ら変化することを意味しているように思います。しかし退化とは以前の状態から劣ることを意味していると思うので、進化の対義語が退化であるというのはおかしい気がします。退化も進化の1つの形態なのではないでしょうか。
　

　ダーウィンの進化論でも「環境に適応するように変化する」と言っているので、適応することで退化することもあるのです。例えば視覚や聴覚などは狩猟時代に生きていた人よりもかなり退化していると思います。進化していることは決して自慢できることではないのです。
　

　それに対して進歩とは歩を進めるということで成長する、以前よりも優れるとの意味になります。こちらも進化の形態であり、それこそ退化の対義語となると思います。進化は進歩と退化を包括しているのです。
　

　進化を目指すのはおかしいと言うことです。まあ、環境に適応できなければ淘汰されるので、生存のためには進化を目指すことは必要なのですが、一人の人間として生きていくうえでは目指すものは進歩であり、進化ではありません。進化の中の退化を目指しているのではあまりにも情けないです。
　

　ただ、進歩しなければいけないということも無いと思います。よく「向上心の無い奴はダメだ」などという人がいますが、本当にそうでしょうか。私は現状維持の人生だって良いんじゃないかと考えています。
　

　向上心とは、「現状に満足せずに、更なる高みを追求して努力する心」と言うことです。更なる高みを追求することが自分を、さらには世の中を良くするとは限りません。今の世の中にしても、あまりにも便利になり過ぎて、それが人類にとって良いことなのかどうかが分からなくなっています。今の便利さで十分なのではないでしょうか。
　

　現状に満足できないと言うことは、裏を返せば欲が深すぎると言うことです。世の中を良くするためには現状に満足することも必要ではないかと思います。
　

　「生物は常に環境に適応するように変化」するのです。環境が進歩することで、人間はそれに適応するために進化する、つまり退化するのです。そろそろ環境を退化させて人類が進歩する道を選択しても良いのではないでしょうか。人類にとって良い進化とは何なのか、改めて考えてみることも大事だと思います。