世界哲学の日

　今日は11月の第3木曜日ということで、世界哲学の日です。国連の専門機関である国際連合教育科学文化機関（ユネスコ）が制定したもので、国際デーの1つです。
　

　人類が直面している課題により効果的に対応するために哲学的分析・研究を促進すること、グローバル化や近代化への影響で生じる問題に対して哲学の重要性の認識を高めること、次世代のための哲学教育の重要性を強調すること、などが目的です。
　

哲学のすごさ

　哲学と聞くと、理屈っぽい人が没頭する学問で、一般的には馴染みが薄くて実生活には役立たないものというイメージが私にはあります。「生きる意味とは？」と問われても、「意味などない」「考えるだけ時間の無駄」などと思ってしまいます（私の思考が単純すぎるのでしょうか？）。それがなぜ人類の課題解決に役立つのだろうかと疑問に感じました。
　

　しかし、どうやら哲学とは「本質を捉える学問」ということらしいです。問題解決のためにはその本質を捉える必要があります。そのために哲学的分析が大事だということなのです。
　

　哲学的分析の大きな成果の一つが今の民主主義社会だそうです。争いが繰り返されていた世の中を大きく変えたのは哲学者達なのです。なぜ人間は戦争するのか、という問いに、人間は皆自分の生きたいように生きようとすること、つまり自由を求めているからであると考えました。自由を得るために支配者になろうとすることで争いをするのです。
　

　しかし闘争で得た権力による支配は被支配者の自由を奪います。そのような社会は常に反乱の恐れをはらんでおり、いつかは新たな戦いが始まります。全ての人が自由を手にしない限りは、いつまでも争いは続きます。
　

　そこで哲学者は人間の本質（欲望や憎しみ、見栄など）を洞察し、争いの無い社会にするには、お互いに対等に相手の自由を認め合うことが必要であると考えました。そのルールで社会を築くには、皆によって選ばれた統治者によって国を治めることになるという結論に達しました。これにより民主主義の考えが生まれたのです。
　

　このことを知ると、哲学の素晴らしさが分かります。問題解決には本質を捉えることが大事であることは以前から理解していました。しかし、そこに哲学的思考が必要だとは思っていませんでした。今まで哲学には全く興味がありませんでしたが、意外と私の思考に近い感じもします。何だか少し哲学について知りたくなってきました。哲学のイメージが変わりました。冒頭の言葉は撤回します。