母の日

　今日は5月の第二日曜日、ということで母の日です。我が子たちは小さいときは意識していたようですが、ある程度の年齢になるとあまり気にしなくなるようです。特に中学生にもなると話題にも上りません。最近は母の日だからと言って我が子たちが妻に何かプレゼントをするようなことは無いようです。妻も始めから期待はしていない、というか妻本人も母の日であることを全く意識していないみたいです。
　

母の日の思い出

　私は子供の頃、たまに母の日にプレゼントをしていた記憶があります。毎年ではなかったと思います。ただ意識は毎年していた気がします。その時の事情によってプレゼントしたりしなかったりだったようです。その中で特に一番印象に残っているのは小学校低学年の時に小さな鉢植えの花を自分の小遣いで買ったことです。何の花だったかは覚えていませんが菫のような紫色の花だった記憶があります。小遣いの少ない私が買えるものですからとても安いものだったはずです。
　

　大人になってから母がそのことを思い出してとても嬉しかったと笑顔で言ってくれたことがありました。そのことがあって余計に印象深くなったのかもしれません。私はプレゼントをして良かったなと改めて思いました。母は既に他界していますので今更親孝行はできません。生きているうちにもっと親孝行しておけば良かったと思います。それでも母の記憶に私との良い思い出が残っていたのであれば少しは救われた気持ちになれます。
　

　私にとって我が子たちと過ごす時間がとても貴重なものであるように、私の母にとって私と過ごす時間は貴重だったのでしょう。それなのに私は中学生にもなるとそのような気持ちを理解しようともせず、母のことを疎ましく思うこともありました。多くの男の子が通る道なのでしょうが、母は落胆したことでしょう。もっと優しくしていれば良かったと申し訳ない気持ちでいっぱいです。親の気持ちは自分が親になって初めて分かるものです。しかし私に子供が出来たときには既に両親とも他界していました。時すでに遅し、です。
　

　毎年母の日になると紫色の花の鉢植えのプレゼントを思い出します。そしてそのことを何十年経っていても母が良い思い出として覚えていてくれたことも。こうして母の笑顔を忘れずにいることが今私が出来る母へのプレゼントなのかもしれません。