悪妻の日&哲学の日　

　今日4月27日は悪妻の日であり哲学の日です。何故この二つを並べたかというと、関連があるからです。それにしても悪妻の日があるなんて驚きです。一体この日に何をしろと言うのでしょうか。
　

哲学の日

　紀元前399年の今日、ギリシアの哲学者であるソクラテスが牢獄で服毒して亡くなったことが由来です。
　

　ソクラテスは多くの賢者との問答により、知らないことを知っていると思い込んでいる人々よりは知らないことを知らないと自覚している人の方が賢いと考えました。これが〝無知の知〟です。知ったかぶりの多い私には耳の痛い話です。
　

悪妻の日

　では何故今日が悪妻の日なのかというと、ソクラテスの妻クサンテッペが悪妻で有名だったからです。クサンテッペはギリシア語で〝黄色い馬〟の意味で、西洋では今でも悪妻の代名詞となっているそうです。
　

　ただ本当にクサンテッペが悪妻だったかどうかは定かではなく、多くはソクラテスが残した言葉によってイメージされたようです。例えば〝クサンテッペは妻としても母としても何ら貢献をしなかった〟とか〝セミは幸せだ。何故なら物を言わない妻がいるから〟などがあります。そして有名な言葉が〝ぜひ結婚しなさい。良い妻を持てば幸せになれる。悪い妻を持てば私のように哲学者になれる〟です。なかなか皮肉が効いています。
　

　しかし何をもって悪妻というのでしょうか。そして良妻と悪妻を分ける基準は何なのでしょうか。恐らくそれは定義できないものだと思います。人間は100%善人も100%悪人もいないはずです。善悪どちらの面が出るかはその相手や環境によって変わるのではないでしょうか。〝俺の妻は悪妻だ〟と言う人は当の本人にも問題がある場合が多い気がします。結婚相手は自分を映す鏡のようなものです。自分が優しく接すれば優しさを返してくれるし、冷たく接すれば冷たくされるのです。
　

　クサンテッペが悪妻だと言われるということはソクラテスにもそれなりに問題があったと考えることが出来るでしょう。哲学者ですからかなり気難しい人だったのではないかと思います。もちろん哲学者全てが気難しい人とは限りません。しかし少なくともソクラテスは自分の信念にかなり頑ななところがあったようです。そのような人の対応を毎日しなければいけなかったクサンテッペは気苦労が多かったであろうことは想像できます。そのうえ〝私の妻は悪妻だ〟と言いふらされてはたまったものではありません。愛想をつかすのも理解できます。
　

　さあ、今日は悪妻の日なので奥様に何かプレゼントをしてみてはいかがでしょうか。なんて、実際にそんなことしてしまったらジョークでは済まなくなるかもしれませんのでご注意ください。