そっくり人形作りの公式

　誰かにそっくりな人形ならそっくり人形です。でもそのような人形の呼び方は他にもあります。そっくりフィギュアだったり似顔絵人形だったりと、業者や制作者で違っています。呼び方は違っていてもそっくりな人形であることに変わりはありません。
　

　でも制作者によって出来上がる人形の質は違います。どのような材料を使用してどのような工程で作るのかは様々です。ですから同じ人を対象にして作られたとしても完成品は制作者によって違いがあります。ただその違いは実物を手にしてみないと分かりにくいところが難点です。
　

ドールとフィギュア

　では人形、あるいはドールと呼ばれているものとフィギュアと呼ばれているものとには何か違いがあるのでしょうか。一般的にはドールもフィギュアも人形の一種だということはご理解いただけるでしょう。人形のなかにはぬいぐるみも含まれますが、ぬいぐるみをドールと言う人はいるかもしれませんが、フィギュアと言う人はいないように思います。フィギュアというと樹脂製のような硬い人形のイメージがあるのではないでしょうか。
　

　フィギュアと聞くと人形の他にはスケートを思い浮かべる人が多いでしょう。スケートと人形とは何が共通しているのでしょうか。フィギュアには〝図形、輪郭、人の形〟などの意味があります。スケートの場合は元々は氷上にスケートで図形を描くことを競う競技だったためフィギュアと名付けられたそうです。そして人形の場合は人の輪郭、形をしているのでフィギュアなのです。それではドールはどう意味かというと英語で〝人形〟そのものです。ぬいぐるみはフィギュアでもドールでもなく〝stuffed toy（綿の詰まったおもちゃ）〟と言うそうです。
　

　どうも普通に考えると人形であればドールで良いようです。でもあえてフィギュアと呼んでいるということはドールとは区別する意識があるのではないでしょうか。フィギュア好きな人には人形の基となるキャラクターが存在していることが重要なようです。キャラクターとは有名人だったりアニメや映画の登場人物だったりします。しかしぬいぐるみでもキャラクターものが殆どなのでこれをフィギュアと呼ばないということはやはり素材の違いがあるように感じます。また、蝋人形は有名人にそっくりで硬い素材でも〝wax doll〟でありフィギュアとは言いません。私にはドールとフィギュアに明確な違いがあるようには思えません。敢えて違いを言うならドールの中にフィギュアが含まれているのでしょう。だからフィギュアをドールと言っても間違いではないと思います。