離任式

　今日は金沢市の小学校では離任式が行われます。中学校は昨日でした。異動や退職をされる教職員さんたちとのお別れの場です。別れの場にあるのは寂しさだけではありません。表現しきれない複雑な思いが交錯します。
　

教師の思いと子供の思い

　教師というのは大変な職業だなと思います。多くの子供たちを相手にしなければいけません。子供によって性格はバラバラです。その子供たち一人一人の個性を踏まえてそれぞれに対応をしないといけません。最近はモンスターペアレントなどと言われる親たちも増えているようなので、軽率な態度はとれないことでしょう。
　

　昔は教師と言えば聖職と言われるくらい周りから敬われる存在だったはず。それがいつの間にかちょっとしたミスで保護者から厳しく非難をされる立場に変わりました。仕事量も多く毎日の残業は当たり前のようです。きちんとした授業をしようと思えば思うほど教材の準備等に追われて自らの首を絞めるようなことになりかねません。さらに部活動の顧問であれば休日返上で指導をしなければいけません。自宅でのんびり過ごすことが出来るのは年間にどのくらいあるのでしょうか。
　

　それだけ一生懸命に子供の相手をしているからでしょうか、別れの場面では涙ぐむ教師も少なくないようです。僅か1年間の付き合いでも多くの思い出を子供たち一人一人と築いてきた軌跡が蘇るのかもしれません。ただそこにあるのは寂しさや悲しさだけではないでしょう。激務から解放される安堵感や新たな世界へ進む喜びや期待もあると思います。
　

　子供たちはどうかというと反応は様々なようです。特に人気のある教師とそうでない教師とでは随分違うようです。一生懸命な教師が人気があるとは限らないのが非情なところです。人気の教師との別れでは公然と涙を流す子供でも人気のない（要するに嫌いな）教師の異動を喜んでいたりします。大人でも好きな上司と嫌いな上司とでは異動の際の思いが違うのですから当たり前と言えば当たり前です。ただ大人の場合は相手の気持ちを推し量ってその差を顕著に表現するのははばかりますが、子供の場合は大人ほど気を使いません。その奔放さが子供の良さだと思います。
　

　私は子供のころから周りの目を気にし過ぎて自分を表現することが苦手でした。それは今でも変わりません。そのような性格は自分自身で生きにくい環境を作ってしまいます。自分の気持ちをストレートに表現すると周りから非難を浴びることもあるでしょう。しかしそれでも自分を表現するということは人生において大事なことだと思います。日本人は自分をアピールするのが下手だと言われます。歌手やスポーツ選手など自分をアピールする手段を持っている人は強いです。子供たちには奔放さを失わずに自分をアピール出来る何かを得て自信を持てる大人になってほしいと思います。