幸せへの道標

　結婚生活が嫌になったら別れることが出来る。離婚というのは親子にはない選択肢。別れることが出来るということで親子関係とはどのような違いがあるのか、ウェルカムドールたちは話し合います。
　

それぞれの幸せ

　「離婚が認められているということは結婚しても上手くいかないことがあるという前提だからでしょ。」
　「それだけが理由ではないと思うけど、その要素は大きいだろうね。」
　「親子関係だって上手くいくことばかりではないよ。仕方なく一緒にいる家族だって結構多いと思うな。」
　「そうだとしても一緒に暮らすことが出来ているのだから夫婦だって出来るんじゃないかな。」
　「まあ、互いに相手に対する気持ちが冷めていても一つ同じ屋根の下で暮らすということは出来るとは思うけど、そうすることにどれだけの意味があるのかな。」
　「親子だって子供が成人してしまえば家を出て帰ってこないということは珍しくないよ。親と一緒に暮らすのは煩わしいという子供は結構いると思うな。」
　「そもそも夫婦と親子は相手に対する思いが基本的に違うから同列で比較するのはおかしいと思う。」
　「そうだね。でも離婚という手段が認められている分、別れるという選択を安易にしてしまう傾向があるとは思うよ。」
　「離婚する全ての夫婦がそうだとは思わない。頑張って努力したけどどうしても無理っていうケースもあるよ。」
　「でももう少し頑張れば関係を修復できたかもしれないケースも結構あるんじゃないかな。」
　「お互いに自分の思いを優先させようとして対立してしまうのは親子でも夫婦でもあること。そうなった時の選択肢として親子には離れることはあっても別れることはない。どれだけ離れても常に繋がっている思いは残っている。だから子供は自分が親になった時に親の気持ちが理解できて関係を修復出来たというのは良く聞く話だね。」
　「特に親が年老いたと感じるとそれまでの親不孝を後悔したりもするね。」
　「そう、そういうことは良くあることだと思う。でも夫婦の場合は上手くいかなくなったら別れを選択出来るのでそれで終わり。子供がいなければ繋がりは無くなり関係を修復することも無くなる。別れずにいればいずれはまた良い関係に戻れたかもしれなかったのに。」
　「相手の気持ちを理解しようとしないとどんな関係でも上手くはいかないだろうね。いずれ相手の気持ちを理解することが出来たときに別れていなければ関係を修復できるけど、別れてしまうとたとえ理解できても修復は出来ないね。」
　「親子であろうと夫婦であろうと自分の思いばかりを相手に強要してはいけないね。相手の思いも理解して時には譲ることも必要だよ。」