幸せへの道標

　独身と結婚のどちらが良いか、その答えは人それぞれ。ただ、結婚を経験していないとその良さも悪さも分からないもの。一人が気楽だと思っていた人でも結婚してみてその良さに気付くことは多い。またその逆に憧れて結婚した末に失望する人も…。その違いは結婚相手との相性なのではないかとウェルカムドールたちは考えます。
　

それぞれの幸せ

　「自分と相手の相性って言われてもよく分からないよ。」
　「単に仲が良いというのとは違うってことは以前皆で話したよね。」
　「そうそう、仲が良いだけじゃなくて自分の足りないところを補ってくれる相手だと良いってことだったな。」
　「お互いにってことだね。」
　「問題はそういう人と巡り合えるかどうかなんだけど。そんなに簡単なことではない気がする。」
　「あまり難しく考えると〝そんな人いない〟ってことになっちゃうよ。もう既に自分の周りにいるんじゃないかな。」
　「そんな人思い付かないけど。」
　「自分の周りに自分と全く同じ人はいないよね。」
　「自分の周りだけじゃなくてもいないと思うよ。」
　「じゃあ、少なくとも周りの人は自分には無い良さがあるはず。自分の苦手なことを手伝ってもらえるかも。その反対に自分が相手の苦手なことを手伝ってあげることも出来るよ。」
　「お互いに足りないところを補い合える関係ってことか。」
　「人間は困ったときには助け合える関係になれる。ある時に要援助者だった人が別の時には援助者になることは珍しくない。だから本来は誰とでも補い合える関係にはなれるはず。」
　「でもそれと結婚とは違うと思うけど。」
　「家族という関係を見たときに自分で選べるのは配偶者だけ。自分の親や子供は選んで決めたわけじゃないよね。そして親子であっても性格は皆バラバラだったりするのが普通。それでも長年一緒に生活することが出来ているんだから、相性の合う結婚相手って実は誰でも良いのかもしれないよ。」
　「生まれたときから家族だという関係と別々に育った人と途中から家族になる関係とは一緒に出来ないんじゃないの？。」
　「その通りだと思う。そこが夫婦の難しいところなんだね。だからこそ敢えて相性ということを重要視しないといけないんだよ。」
　「自分で選ぶんだから少なくとも好きという感情がないとダメだと思う。」
　「嫌いな人と一緒に暮らすのは苦痛だろうから好きであることは大事だね。でも1番でなくても構わないと思うよ。」
　「そりゃぁ、1番の人と相思相愛になれるとは限らないし。仕方なく2番目、3番目にするしかない人もいるでしょ。」
　「好みのタイプであれば何番かなんて考えない方が良いね。一緒にいればそのうち1番になるものだから。」