そっくり人形作りの公式

　人形作りに限らず物作りをしているとマニュアル通りにいかないことが多い気がします。マニュアル通りにしているはずなのに結果が違っている、思っていた通りにならないということがあります。その要因の一つに熟練度があるのだと思います。
　

習うより慣れろ

　マニュアルは主に職人と言われるような熟練した人が書いていることが多いでしょう。しかしそれを見て作る人は初心者のような慣れていない人がほとんどだと思います。スイーツであれば東京の繁盛店の有名パティシエが自分のオリジナルレシピを紹介してくれている場合があります。それをそのまま同じように作ってみてもお店の味にはなりません。疑い深い私は何か大事なことを隠しているのではないかなどと思ってしまいます。
　

　しかしそういう経験を重ねてくると焼き菓子作りで大事なことは火加減と加熱時間なのではないかと思うようになります。マニュアルには160℃で30分などと書かれていても160℃の火力が具体的にはどの程度なのかまでは分かりません。お店の大きなガスオーブンと我が家の小さな電気オーブンでは同じ160℃でも大きな違いがあるでしょう。そうなると同じ30分でも仕上がりはかなり違ってきます。職人であるパティシエはわずかな差でも感じ取れる感覚を多くの経験から身に付けているでしょうからオーブンの違いを理解して調整できると思いますが、私には出来ません。
　

　このことは他の物作りでも同じだと思います。職人の感覚と自分の感覚は違うのでマニュアル通りに作っても同じものが出来ないのは当たり前なのです。もちろん参考にはなりますが、良いものを作ろうと思ったら何度も失敗してその中から一つずつ正解を見つけていき自分のマニュアルを作る必要があるということです。失敗するということはとても大事なことだと思っています。