幸せへの道標

　自分の足りないところを無理なく補ってくれる相手だとストレスなく生活が出来る。お互いにそういう相手であるのが理想です。しかし好きになった相手がそういう人とは限りません。ウェルカムドールたちは理想と現実の違いを考えます。
　

共助生活

　「苦手なことを補ってくれる人の方が良いってことは理解できるけど、どういう人を好きになるかなんて自分には分からない。理屈を並べたところで意味が無いんじゃないの？。」
　「もしも本能で好きになる人よりも理屈で自分に合う人を見つけて一緒になった方が幸せになれるってことなら理屈も意味があると思う。でもどういう選択をしても幸せが約束されるわけではないでしょ。だったら理屈なんてない方が良いと思う。」
　「好きになった人が理想とは違うタイプだったからといってその人を諦めなさいということではないよ。それに理想通りの人と結婚したからといって幸せになれるとは限らないというのもその通りだと思う。でも理屈を知っているということは幸せへの道標になると思うんだ。」
　「知っていることで幸せになれる可能性が高まるってこと？。」
　「相手に対する不満の原因の多くは〝相手が自分の期待通りにしてくれないこと〟だと思う。だから2人とも片付けが苦手だということが分かっているのなら始めから相手が片付けてくれることを期待しないという心構えが必要になる。そして理屈を知っていれば〝片付けにおいては相手に助けてもらえない、自分も助けてあげられない、そうなると家の中が汚れっぱなし、何か2人に出来る対策を考える必要がある〟という方向が見えてくるんだ。」
　「それで2人で話し合って、物を極力増やさないとか家中のあちこちにゴミ箱を置くとか1週ごとに掃除当番を替わるなど、自分たちに無理のない方法で家の中が汚れないようにすれば良いんだね。」
　「そう、それが出来れば2人で生活する上でのストレスが1つ少なくなって幸せに一歩近づいたことになるよ。」
　「なるほど、お互いのことを良く知っていれば共に相手に過度の期待をしないから不満は少なくなるな。それに両者共苦手なことは協力しないといけないことが分かるから絆が深まるだろうね。」
　「どんな人と一緒になっても自分の足りないところを全て補ってもらえるわけじゃないし、自分が相手を補う必要がないということもない。それに2人とも苦手なことは何かあるはず。鍋と蓋のようにぴったりと収まるカップルなんているとは思えない。どこかには穴が開いているはず。そしてその穴を埋めるためにはどのように協力し合えば良いのかを共通認識できていることが幸せになるには大事だと思うよ。」