そっくり人形作りの公式

　昨日も書きましたが、人形作りは奥が深いです。作り方は制作者それぞれに手順やコツがありますが、果たしてそっくりに作るための公式というものがあるのでしょうか。
　

そっくり人形作りに必要なのは？

　そっくり人形作りを長年やっておられる方はどんな顔でも〝こうすればそっくりになる〟という公式のようなものを体得しているのかもしれません。でも私はこの仕事を始めてまだ日が浅いためか、そのようなものはありません。特に独学でオリジナルの作り方なので、毎回試行錯誤です。
　

　作るたびに確実に上手くなっていく部分と、上手く出来たり出来なかったりを繰り返す部分とがあります。確実に上手くなっていくのは〝作るコツ〟です。経験を積むことで上達することです。そして上手く出来たり出来なかったりというのは〝似せる〟ことです。上手く出来たと思えた時は要領を得た気がしているのですが、その要領で別の顔を作っても上手く出来ないことがあります。写真通りに作っているはずなのに何故か似ていない、何がいけないのか分からない、という感じです。何度も修正して最終的には似るようになるのですが、何故最初からこのように出来なかったのか、どうやったら最初からこのように出来たのか、謎は解明されないまま終わります。何かすっきりしない感じです。でも次はすんなりと上手くいったりするのです。
　

　特にお客様のことは写真でしか知りません。正面・横・斜めの顔だけです。それぞれの表情が違ったら更に分かりにくいです。正面が笑顔でも横や斜めが笑顔でなければ笑顔の横顔、斜め顔を想像して作らないといけません。人それぞれ笑顔の時の頬の張りや目じりの下がり方、口の開け方が違います。それをお会いしたことがないのに想像して作るというのはなかなか難しいことです。３Ｄプリンターは全方位の同じ表情での情報を入力することでそっくりに作れます。それだけ多くの情報があるからこそ本人そっくりに作ることが出来るのです。
　

　つまり2次元の写真数枚から3次元の立体を作るというのは想像力が必要だということです。もしかしたら作り方の公式がある人には想像力は必要ないのかもしれませんが、残念なことに私はまだ公式を得ていません。だから想像力を磨くことが大切だと感じています。それに、上手く出来ないときは、前回上手く出来たという慢心があったのかもしれません。自信と慢心は違います。もっと謙虚になって仕事をしないといけないと思う今日この頃です。
　

今日の金沢

　今日も穏やかな良い天気です。9月は雨が多いですが、10月は台風さえ来なければ観光におすすめの季節です。
　

　金沢マラソンはいよいよ2週間後です。