やりがいと幸せ

　自分の得意とすることを仕事にする、それがやりがいを得る近道であるようです。でも仕事に出来るほど得意なことってあるかな…、ウェルカムドールたちは考えます。
　

得意なこと？、苦手なことなら…

　「得意なことと言われても〝これです！〟って言える程のものはない気がする。」
　「そういう人は多いだろうね。」
　「ちょっとくらい得意でも仕事に出来るとは思えないし。」
　「むしろ〝これは苦手〟っていう方が言えるよね。」
　「そうそう、得意なことよりも苦手なことの方が多いな。」
　「おそらく苦手なことは自分で実感しやすいんだろうね。でも同じくらい得意なことはあるんだと思うよ。ただ自分よりも優れている人と比較してしまうから大した能力ではないと思ってしまうだけだよ。他人より劣っていることばかりが気になるのが人間の特性なのかもね。」
　「自分よりも上の人を見てしまうからいけないんだね。平均点以上でもトップと比べたら〝自分はダメだ〟と思ってしまうもんね。」
　「苦手だと思っていることも実際は平均点以上のこともあるかもしれないね。」
　「そう考えると苦手なことを仕事にしないという考え方もあるんじゃないかな。」
　「その方が分かりやすいね。」
　「頭が良くて外科医になっても不器用だと苦労するかもね。内科医の方が向いているんだろうな。」
　「不器用な外科医にオペされるのは怖いね。患者には分からないけど。」
　「自分のやりたいことが自分に向いているということではないからね。」
　「それをきちんと判断しないといけないね。」
　「その指標の一つが〝苦手なことを仕事にしない〟ってことなんだね。」
　「現代では仕事が生活の中心になりがちだけど、仕事をするために生きているわけじゃない。仕事はあくまでも生活するため、つまりお金を得るための手段に過ぎないよ。それなのに仕事で心労を溜めて身体を壊したり、イライラして家庭不和を起こしたりするのは意味がないよ。」
　「そもそも仕事にやりがいを求める必要はない気がするな。」
　「やりがいを求めるからやりがいが見つからないことに落胆してしまうんだね。仕事の対価はお金であってやりがいではない。働いた分のお金はもらっているのだから、そこにやりがいを求める必要はないんだよ。」
　「やりがいが欲しければ趣味やボランティアなど仕事以外で見つけた方が良いのかも。」
　「たまたま仕事にやりがいを得られた人は運が良いだけ。でもその人はもしかしたら退職後には何もやることが無くなってひどく落胆することになるかもしれないよ。」
　「仕事にやりがいを感じている人が幸せってわけではないってことだね。」