幸せへの道

　相手の幸せを考えることが自分の幸せにも繋がるようです。ウェルカムドールたちは話を続けます。
　

幸せのコツ６

　「そうなると相手の幸せが何なのかが分からないといけないんじゃないの？。」
　「それって難しいんじゃないかな。」
　「幸せの形って人それぞれ違うよね。言葉では言い表すことが出来ないこともありそうだし。」
　「例えば自分の幸せって何だか言える？。」
　「うーん…、お金がたくさんあったら…とか…。」
　「お金か。まあ、ないよりはあった方が良いだろうな。でもそれって今お金がないからそう思うだけで、実際に手に入れたら思っていたほど幸福感はないかもしれないよ。」
　「僕の幸せはこの先もずっと健康でいられること。」
　「健康体でいられることは大事だと思う。病気やけがをしたらいろいろと不自由な思いをしないといけないからね。でも健康でない人が不幸かっていうとそうとは限らないんじゃないかな。」
　「私は愛する人と一緒にいられればそれだけで幸せ。」
　「相手が浮気をしても幸せかな？。」
　「じゃあ、お金があって健康で愛する人が浮気せずに一緒にいてくれればそれだけで幸せっていうのはどう？。」
　「欲張りだな。それだけあれば十分幸せに感じられるかもしれないね。さて、それではもしそれが相手が望む幸せの形だとしたらその幸せを与えることはできそうかな？。」
　「うーん、浮気せずに一緒にいるくらいなら何とか出来るかも。でも残りの2つは難しいな…。」
　「そうだね。相手を幸せにしたいと思っても自分の出来ることなんて限られている。相手が望む幸せが分かったとしてもどうしようもないことはたくさんあるよ。」
　「相手の幸せが何なのか知っても意味がないってこと？。」
　「意味がないとまでは言わないけど、知ることはそれほど重要ではないと思う。」
　「お金とか健康とかは結婚しようが独身であろうが、ある程度は自分で何とかしないといけないものだよね。でも結婚すると生涯一緒に暮らそうと約束した相手ができる。ということは〝この人と結婚して良かった〟と思ってもらえるようにすることが配偶者としての大事な務めだと思うんだ。」
　「いくらお金があっても喧嘩ばかりしていたらダメってことだね。」
　「喧嘩するほど仲が良いとは言うけど、何らかのしこりは残るだろうな。」
　「やっぱり分かり合えないんだなとかって思ったりして。何か寂しさを感じるね。」
　「人間は孤独感を抱くと幸せを感じられないもの。相手をそうさせないようにするために自分はどうしたら良いのかを考えられると良いね。」