恋愛と結婚

　結婚しないカップル、そこには子供は望んでいないという意識が見えています。このことについてウェルカムドールたちは話します。
　

結婚しない生き方２

　「子供が欲しくても出来ないカップルが多いって聞くけど、出来るであろうと思われるのに欲しがらないカップルもいる。何か複雑だね。」
　「おそらく生物学的には好きな人との間に子供が欲しいっていう思いは自然なことなんだと思う。だからこそこうして長い年月の間世界の人口は増え続けているんだろうね。」
　「動物としての本能と言ってもいいのかな。」
　「人間以外のほとんどの動物は発情期に交尾をして子孫を残している。今年は餌が不作だから子供を作るのは止めておこうなどとは考えないだろうね。その分発情期以外は交尾しないらしい。まさしく本能としての子作りだね。」
　「人間は発情期はない。その代わりに自分の意志で子供を作るかどうか判断できる能力を備えている。だから子供を育てるだけの収入がないとか時間的余裕がないとかで作らない選択することが可能なんだね。」
　「昭和の時代くらいまでは結婚したら子供を作るのは当たり前って考えだった。だから子供が出来ない夫婦、特に妻の方は世間的に肩身が狭い思いをしていた。」
　「でも時代が変わって、そういう夫婦に対しての差別的見方が批判されるようになった。それに伴って次には敢えて作らないという選択肢も公然と認められる風潮になったってことだね。」
　「子供を作らないカップルが増えてくると、今度はそれなら結婚に縛られる必要はないんじゃないのって考えは当然出てくるよね。」
　「子供の正式な両親として籍を入れた方が良いだろう思うのは普通だけど、子供がいないと籍を入れる必然性を感じないからね。」
　「こうして考えると時代の流れとしては自然なことに感じるね。」
　「でも本来子孫を残したいという本能的な思いを持っているはずなのに、なぜ子供はいらないという選択を多くの人がするようになってきたかっていうことを考えないといけないね。」
　「長引く不況とそれによる将来的な不安感、それに核家族化っていうのは大きいような気がする。」
　「そうだね、将来世の中、特に日本はどうなってしまうのかなって思うよね。最近は自然災害も多いし。子供が出来ても生活が大変な時代になるのなら可哀そうって思う人も多いだろうな。自分が生きている時代だけでも不安なのに。」
　「日本の将来に不安を感じる大きな要因の一つは少子化なのは間違いない。不安だから子供を作らないって考えは更に少子化に拍車を掛けていることになるね。」
　「で、更に不安感が大きくなる。」
　「だからと言って公然と〝子供を作りましょう〟と言うとバッシングを受けるのは明らか。」
　「なのに言っちゃう政治家いるね。」