癒される人形とはどのようなものか

　ウェルカムドール制作に役立てるため、癒しについて考えてみます。
　今回はドールの持つパワーの話です。果たしてテイクレストのドールは癒し効果があるのでしょうか…。
　

人形は恐い？　大昔は信仰の対象とされていた人形。神々しいもの、恐ろしいもの、さらには人間の身代わりとなるものなど、その時代や環境の違いで人々の捉え方は様々だったようです。
　

　古い人形は何となく怖いイメージがあります。どこそこの市松人形は髪の毛が少しずつ伸びている、なんて話もよく耳にします。藁人形は呪いをかけたい相手に見立てて釘を打つわけです。実際に効果があったかどうかは定かではありませんが、自分がその対象になっていると聞いたら良い気持ちはしませんよね。今はジョーク商品として藁人形セットが売られていますね。
　

　最近はかわいいものやカッコいいものが多く、昔のようなイメージとは違い癒し効果が期待できると言われています。しかし今でも人形を捨てるのに神社で供養をしてもらう人は多く、魂が宿っている、災いをもたらすなどのイメージは残っています。ちなみに10月15日が人形の日なので、この日に供養してもらう人が多いそうです。

ぬいぐるみ療法
　
　ぬいぐるみはその大きさとふわふわ感により、抱きしめることで心が落ち着きうつ病改善に効果があるといわれています。幸せホルモンのオキシトシンに好影響を与えるそうです。オキシトシンは愛する人と触れ合うことで分泌されますが、ぬいぐるみでも同じような効果があるようです。若い人たちには生身の人間との接触を避ける傾向が以前よりも強くなっていると聞きますので、そういう方にも良い報告だと思います。
　

　確かに抱きしめることで一時的に安心できるでしょうが、うつ病の原因が取り除かれるわけではないので、これだけでは根本的な治療にはならないように思います。職場や家庭にストレス要因があるのであればその改善も必要でしょう。ぬいぐるみを抱きしめることだけを続けていると、結果的には症状が悪化したという話も聞きますので、こればかりに頼るのは要注意ですね。
　
高齢者の孤独感解消　一人暮らしの高齢女性の方に会話をする人形が人気だと聞きます。話し相手を求める気持ちが満たされて孤独感が解消されるのでしょう。自分の孫のように感じて食事を用意したり、着せ替えを楽しんだりもするようです。痴呆防止に良いと言われます。
　

　ただ、人によっては話し声がうるさいと感じる方もいるようなので、すべての高齢者に良い効果が認められるとも言えないようです。プレゼントするときには相性の確認も必要と思います。
　

リボーンドール　リボーンドールってご存知ですか？。赤ちゃんそっくりに作られた人形で超リアル。高級なものだと呼吸が感じられたり心拍音が聞こえたりするものもあるとか。
　

　もともとは赤ちゃんを亡くした母親のために作られたとのこと。最近では赤ちゃんが欲しくても何らかの事情で出来ない女性にも人気のようです。さらには既に子育てを終えている方が昔を懐かしんで購入するケースもあると聞きます。多くの女性に癒し効果をもたらしています。
　

　あまりのリアルさに、関心が低い人からは「ちょっと怖い」との声もあるようです。
　

癒し系ドールの要件は？　このように見てくると、人間が人形に癒されると感じる要件が何となく見えてきます。

　①適度なやわらかさがある
　②適度な大きさがある
　③人間からのアクションに何らかの反応をしてくれる
　④全体的にかわいいと感じられる
　

　こんなところでしょうか。ただし、「適度」というのは人によって差があります。「うるさい」「かわいい」も同様です。
　しかしこの結果には異論が出そうです。特にフィギュア愛好者は納得できないでしょう。今回はあくまでも「フィギュアは例外」ということでご理解お願いします。
　

テイクレストのドールは癒し系か？

　上記の要件に照らし合わせてみました。
　①軟質発泡ウレタンで作られているのでやわらかい。ただし芯材が入っているのでぬいぐるみ程ではない。
　②Ｍサイズで27㎝程、Ｌサイズなら42㎝前後なので適度な大きさの範疇には入っていると思う。
　③会話はしないが、主人のリクエストに応じてポーズを変えられる。
　④本人にそっくりに作るが、超リアルではない。仕上げで可愛さを感じられるように意識して制作している。
　

　どうでしょうか。手前味噌ですが、癒し系と言えるのではないでしょうか。というか、制作者としては癒し系のつもりで作っているのですが…。