癒しとストレスを改めて考えよう

　ウェルカムドールの制作に役立てるため、癒しについて考えています。
　さて、癒しの反対はストレスではないということを書きました。それじゃあ何なの？ということで解決はしていません。そこで改めてストレスについて考えてみました。
　

ストレスとはどういうこと？

　デジタル大辞泉によると「《生体にひずみの生じた状態の意》寒冷・外傷・精神的ショックなどによって起こる精神的緊張や生体内の非特異的な防衛反応。また、その要因となる刺激や状況。」（出典：小学館）とあります。後段の「その要因となる刺激や状況」であるストレスを引き起こす外的要因のことを本来は「ストレッサー」と言います。現在はストレッサーもストレスとして語られることが多いため話がややこしくなることがあります。 
　

癒しについても

　同じくデジタル大辞泉で「癒し」（「癒やし」になってました）を調べると「肉体の疲れ、精神の悩み、苦しみを何かに頼って解消したりやわらげたりすること。」（出典：小学館）とありました。やはりストレスを低減する行為のことでした。しかしこの説明だと自分の意志で行った場合ということになります。そのつもりがなくても「気持ちが楽になっていた」ということもあります。時の流れとともに自然に和らいだ場合は「癒し」ではないようです。そうなると「睡眠」が癒しかどうかは微妙で、いつもよりもたくさん眠った場合に限って「癒し」と言えるのでしょうか。
　

　ちなみに大辞林で「癒し」を調べると「いやすこと。治癒。」（出典：三省堂）と簡単でした。これだともう一度「いやす」を調べないといけません。子供に聞かれてこう答えたら嫌われること間違いなしです。気を付けましょう。
　

　ストレスにおけるストレッサーのように癒しにおける外的要因を総称する言葉があるのでしょうか。「癒やっさー」でないことは明らかです。癒しは英語で「healing」であり、動詞の「heal」からきているのでerを付けた「healer」で調べると「癒す人（もの）；（特に）信仰療法を行う人」（出典：研究社）とありました。後段の説明は気になりますが、まあこれかな、という感じです。他に正解をご存知ならば教えてください。
　

結局、癒しの反対は？

　ここまでストレスは外的要因による身体の防衛反応、癒しはストレスを低減する行為であることが分かりました。前者は自分の意志とは無関係で後者は自分の意志で行うことでした。病気に対する治療みたいな関係でしょうか。通常病気の反対は、病気ではない状態つまり健康ですね。やはり癒しの反対はストレスではないようです。
　

　では治療の反対は何でしょうか。治療は病気やけがを治すことなので、治さないことまたは悪化させることになります。人間には自然治癒力が備わっているので、意図的に治療しなくても治ることがあります。となると意図的に悪化させる方が反対のことと言えそうです。
　

　これを癒しに当てはめるとストレスも自然に低減することがあるので、意図的にストレスレベルを高めることと言えます。職場の人間関係がストレッサーであることを理解しているのに出勤を続けること、などがこれに当てはまります。
　

　やっと結論にたどり着きました。癒しの反対は「何がストレッサーか分かっているのに、そこに自分の意志で向かっていく行為」ということです。うつ病になる方たちの多くはこの行為をしています。というか、せざるを得ない状況に追い込まれていると言っても良いでしょう。逃げることができれば楽になれるのですが…。私なんかは逃げてばかりです。
　

　やっと人形について書けそうです。でもストレスレベルが上がってきたので次回にします。Take restです。