そっくり人形ヒロのひとりごと 200305 ~聞いてもらいたいわけじゃないけど…~
選抜高校野球開催の賛否
コロナウイルスの影響で、今年の選抜高校野球は無観客試合で行われる方向で準備が進められているとの報道があった。
これについては賛否両論が出ているようだ。
世の流れから行けば、中止が妥当なところだろう。
まだ最終決定ではないようだが、出場校の選手たちの多くは一安心したのではないだろうか。
ただ、他のほとんどの部活は全国大会が中止になっており、落胆した選手たちは多いと思う。
子供の命と部活動
現在はウイルス拡散防止のため日本全体として何事においても自粛の方向へ向いている。
政府の要請もあったことでほとんどのイベントは中止、学校は休校などの対応をとるようになった。
その流れに逆らうような行動を行うと、バッシングを受ける風潮が見られている。
その反面、「本当にここまでやる必要があるのか」「騒ぎ過ぎなんじゃないの」との思いを持つ人も少なくないようだ。
実際に報告されている感染者数及び感染による重症者・死亡者数を見るとそう思うのも理解できる。
「インフルエンザの方がもっと多くの被害が出ている」というのも現時点では間違いではないだろう。
「検査が出来ないから発覚していないだけで、実際の感染者はもっといる」
「無症状の感染者が周りに拡散させて、その中の高齢者などに重症者が出る恐れがあるから自粛は当然」
「ワクチンや治療薬が無いのだから、インフルエンザとは違う」
これらの意見も正論だと思う。
このように健康が関係する問題で意見が対立すると、必ず出てくるのが「命と〇〇とどちらが大切なんだ」という問い掛けである。
「命と経済」「命と教育」「命と芸術」「命と…」
答えは決まっている。
この質問はずるいと言わざるを得ない。
「命」以外の答えを出そうものなら全ての人から非難されることが分かり切っているからだ。
そのセリフも決まっている。
「命を軽視している」
止めさせようと思ったら、この問い掛けが有効なのは間違いない。
「高校野球ばかりが特別扱いされている」と言われている。
事実だと思う。
でもそれは大人の事情によるものだ。
プレイしている選手たちは関係ない。
「単なる部活だろう」というのもその通り。
「他の部活の大会も皆中止しているのだから、野球だけ開催されるのはおかしい」という意見は一見正しいように聞こえる。
でも中止する根拠としては少々弱い。
他の大会も「中止ではなく無観客でやる」という判断も出来たからだ。
「無観客でやったとしても感染の可能性はある」というのも間違ってはいないだろう。
でもそれを言い出したら、誰も家から出られなくなってしまう。
どこで線を引くかはそれぞれの判断に委ねられている。
今回の高野連の判断を聞いて、既に中止が決まった他の部活の子供たちはどう思っているだろうか。
学生時代の思い出は一生に一度だけである。
この時期の大会を目標に日々練習してきた子供たちの努力はどうなるのだろうか。
それを思ったらやらせてあげたいと思うのが心情だ。
でも今このことを声を大にして叫ぶことははばかられる状況だ。
「子供の命と部活とどっちが大切なんだ」と言われ、その答えは決まっているから。
オリンピックの代表選考を兼ねたスポーツの大会は開催されている。
4日前も東京マラソンはエリートランナーだけで行われた。
沿道には例年よりも大幅に少ないながらも、それなりに応援の人がいた。
3日後にもびわ湖毎日マラソンが行われる予定だ。
感染の可能性において、高校生の部活の大会と何が違うのだろうか。
なぜ大人は良くて子供はダメなのか。
子供の健康のことを考えての判断?。
大人は感染しても構わないということだろうか。
大人が感染すれば子供も感染する可能性が大である。
まずは大人が手本を示さないといけないのではないのか。
オリンピック代表選考の大会が開催されている以上、部活の無観客試合が非難されるのは道理に合わないように思う。
大人たちがやっていることと子供たちに強いていることは整合性が取れているのだろうか。
それぞれの年代にはその年代に見合ったステージがあると思う。
社会人がオリンピック代表を目指すことに比べて、高校生が全国大会優勝を目指すことはそれほど価値の低いものなのだろうか。
子供たちの財産となるはずの大会出場の経験を奪い、大人の努力ばかりを汲み取る判断を、どう説明したら良いのだろうか。
「大人はずるい」
子供たちはまた大人に対する不信感を強めたかもしれない。
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