成人について

　昨日は成人の日でした。この3連休中は各地で成人式が行われたことでしょう。成人年齢は今は20歳ですが、2022年の4月以降は18歳に引き下げられます。でも20歳になるまでは酒やたばこは解禁されません。健康上の理由からだと思いますが、それは身体が大人になっていないということなのではないでしょうか。大人だけど大人じゃない、なんか変な気がします。
　

大人になるということ

　大人になるとはどういうことなのでしょうか。一般的に考えると社会的責任を負うことになるということだと思います。それは本人の自覚とは関係なく、歳を取れば自然とそうなるというだけです。大人になりたくなくてもなってしまうのです。実際に20歳の誕生日を迎えた本人自身は昨日までとなんら変わりはない人間のはずなのに、です。
　

　それでも本人が大人としての自覚を持ち、それが考え方や行動に表れるのであれば問題はありません。しかし、成人年齢の引き下げとは逆に、精神年齢は低下しているように思います。昔の20歳と今の20歳では今の方が精神的に幼いように感じます。
　

　そもそも大人と子供の違いは何なのでしょう。具体的には年齢の違いしかないように感じます。精神的に幼い20歳と責任感が強く独り立ちしている18歳とでは後者の方が大人だと思えます。でも社会的には前者が大人で後者は子供とされます。
　

　歳を取ったからといって自然と大人の意識を持てるわけではないと思います。「20歳で成人」と言われているから「もう大人なんだ」と意識するだけで、中身が別の人格と入れ替わるわけではありません。年齢の区切りがなければ、いつ大人になったかなんて分かりません。結婚して子供が生まれれば親の自覚は持てますが、大人になる場合はそれとは違うでしょう。
　

　かく言う私も未だに大人になった気がしません。いつまでも学生気分が抜けない中途半端な人間です。恐らくこのまま一生を終えることになりそうです。佐野元春の「つまらない大人になりたくない」という歌詞に共感した学生時代ですが、つまらない大人にさえなれないまま歳を取ってしまいました。結局は「大人になりたくない」だけだったようです。
　

　我が子たちには立派な大人になってほしいと思っています。そのために私が出来ることは反面教師になることくらいです。私が自分の父親に思ったように、「お父さんのようにならないようにしなければ」と子供たちが思ってくれれば、それで良いのです。そうなれば、大人になるとはどういうことなのか、それぞれに答えを見つけることでしょう。