「男はつらいよ」の日

　1969年（昭和44年）の今日、渥美清主演の映画「男はつらいよ」の第1作が公開されました。それを記念して8月27日が「男はつらいよ」の日になりました。
　

　「男はつらいよ」は山田洋次監督による作品で、テキ屋家業の〝フーテンの寅〟こと車寅次郎が旅先で出会うマドンナとの叶わぬ恋模様を描きつつ故郷の葛飾柴又の家族らと騒動を繰り広げる人情喜劇です。ちなみにテキ屋とはお祭りなどで屋台を出している露天商のことです。若い人には馴染みのない言葉かもしれません。
　

　日本全国を舞台にロケを行っていますが、意外にもここ金沢は1回だけ、それも僅かしか登場していないようです。第9作「男はつらいよ柴又慕情」（1972年）で福井県と石川県を訪れていますが、その中で少しだけ金沢の風景を見ることができます。この時のマドンナは吉永小百合です。
　

50年目で50作

　私の両親は「男はつらいよ」を好んで観ていました。昭和時代に大人だった人たちの多くは同様だと思います。昭和を代表する映画と言えばやはりこの「男はつらいよ」が不動の1位でしょう。子供だった私も一緒に観ていたので、この映画のタイトルを見るとすぐに両親のことを思い出します。昭和の家族の風景の1コマに「男はつらいよ」は欠かせません。あの頃が懐かしくなります。
　

　そして映画「男はつらいよ」が公開されて今年がちょうど50年となります。今年の12月には22年ぶりにシリーズ50作目の新作が公開されることが決まっています。主演の渥美清は1996年（平成8年）に亡くなられていますので、寅さんの映像は過去に撮影した中から選んで使われるそうです。今までの作品とは違った趣になりそうですが、令和時代に寅さんが復活することで、昭和の良さが再認識されるといいなと思います。