幸せへの道標

　結婚したことで縛られるようになったのではない。自分で自分を縛るようになっただけ。相手が自分に協力してくれるのか反対するのかは自分次第です。まずは自分が相手に協力する。そして信頼を得ることで結婚相手が自分にとっての強力な協力者になるのだとウェルカムドールたちは考えます。
　

幸せな関係

　「自分は相手にとって人生を共に生きようと思ってもらえた唯一の人間なんだから信頼を得るのは難しいことだとは思えないけど。」
　「最初は信頼されていただろうから、なぜそれが崩れたのかを考えてみても良いかもね。」
　「でも最初の信頼は単なる相手の思い込みだった可能性が高いよ。そもそもが信頼に値するほどの人間ではなかったりして。」
　「もしそうなら今更信頼を得るのは難しいだろうな。」
　「恋愛している時は相手のことは何でも好意的に捉えてしまうからね。」
　「生活を共にする時間が長くなって恋愛感情が薄れてしまうと相手の実像が見えてきてお互いに態度が変わっちゃうんだね。」
　「信頼を得るにはどれだけ自分のことを考えてくれているかって相手に思ってもらうことが必要だと思うんだ。でもそれが出来ている夫婦はどれだけいるんだろう。」
　「でも常にそんな気を使って接していたら夫婦じゃない気がしてくるな。」
　「顔色を窺ってばかりで他人よりも気を使うようになったりして。」
　「それじゃ疲れて続かないよ。」
　「気を使うのと大事にするのとは違うと思うよ。夫婦の場合はお互いに相手を大事に思えば自然と信頼関係を築けるんじゃないかな。」
　「気を使わずに大事にするっていうのは夫婦だからこそ出来ることかもね。」
　「恋愛関係の時に相手を大事にしたいと思えたのは自分を気に入ってもらいたいって下心が働いていたからって場合が多いと思う。でも長年一緒に暮らしている夫婦だと今更気に入ってもらおうとは思わないでしょ。だから相手に対する態度がぞんざいになっちゃうんだと思う。」
　「でもそれが人間の本質なんじゃないかな。」
　「家族ならそんなものだよね。だらしなくていい加減なところを出しても許されちゃう。」
　「素の自分が出ちゃうね。」
　「素の自分だからこそ本心が表れてしまうんだよ。相手に対する態度で自分の思いが推測されちゃうよ。」
　「大切にされているかどうかを判断されるね。」
　「心から相手を尊重できていれば素のままでもぞんざいな態度は出来ないものだよ。気を使わずに相手を大事に出来る人はそういう人。」
　「じゃあ心から尊重できていなければいくら大事なふりを装ってもダメってこと？。」
　「ふりをするってことは気を使うことになるから続かないでしょ。」